シティ・エアリンク

シティ・エアリンク株式会社の概要と運航の歴史

シティ・エアリンク株式会社は、かつて存在した日本の航空会社で、ヘリコプターによる旅客運送を行っていました。1987年に設立し、国内定期航空運送事業を展開していましたが、短命に終わりました。設立の背景には、朝日航洋や日本航空をはじめとする12以上の企業が出資しており、その主な目的は羽田空港と成田空港間の定期ヘリコプター便の運航でありました。

設立と初期の運航

会社設立は1987年6月3日であり、当初の資本金は1億円でした。設立から1年後の1988年と1989年には増資が行われ、1991年時点での資本金は12億円に達しました。この時、丸紅も資本参加しており、事業拡大の目指していました。

初めて運航を開始したのは1988年6月20日の羽田空港と成田空港の路線であり、1日8往復が運行され、当時の運賃は16,850円でした。その後、1989年には横浜みなとみらい21から成田空港および羽田空港への路線も開設されました。

運航の問題

運航開始からまもなくして、就航率や搭乗率は厳しい状況に直面しました。1988年の就航率はわずか50%となり、「早いけれども飛ばないことが多い」といった悪評が広まってしまいました。この問題の一因として、天候による影響が大きく、視界が悪い場合や曇天時には運航ができない航空法の規制がありました。特に、使用していたヘリコプターは計器飛行が可能でしたが、実際には有視界飛行が原則とされていたため、運航に制約がありました。

その後も就航率は改善せず、1988年には63.1%、1989年には80%、1990年には81.5%といった数値で推移し、常に安定した運航を提供することができませんでした。こうした状態は、ビジネス客からの需要に応えることを困難にし、搭乗手続きにも時間がかかり、顧客の不満が募る要因となっていきました。

航路制約と運航休止

また、航路においても問題がありました。京浜地区や湾岸地区を飛行する際には、ヘリコプターの騒音を軽減するために、飛行高度や航路に制限がありました。例えば、大田区内では住宅街を避けるために特定の空域を飛行し、羽田空港周辺では特定の川を利用して飛行しました。このような制約により、当初予定よりも運航時間が延びる結果となりました。

しかし、1991年3月に成田空港駅が開業したことは、同社にとって大きな打撃となり、1991年11月19日には運航を休止しました。その後、路線は廃止され、1992年には累積債務が約13億円に達し、事実上解散に至りました。シティ・エアリンクの短い歴史は、航空業界における厳しい経営環境を象徴しているといえます。

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