シトロエン・ベルランゴ

ベルランゴ（Berlingo）

ベルランゴは、フランスの自動車メーカーシトロエンが製造したフルゴネット（ライトバン）またはLAV（レジャーアクティビティビークル）です。このモデルは、市場のニーズに応じた多様なバリエーションを展開しており、特にルノー・カングーとの競合を意識した設計がなされています。

概要

ベルランゴは、シトロエン・クサラおよびシトロエン・C4のプラットフォームを基盤に開発されました。初代モデルが1996年に正式に発表されると、すぐにその実用性と多様性で注目を集めました。ベルランゴは、初代からプジョー・パートナーと密接な関係にありましたが、2021年以後はオペル・コンボ、フィアット・ドブロ、トヨタ・プロエースシティなどとも関連を持っております。

日本市場においては、初代さえも非常に限られた数のみが正規輸入され、特に2代目は完全に未輸入でした。しかし、3代目は2021年から本格的に導入され、今ではプジョー・リフターやフィアット・ドブロとの販売促進が進んでいます。

初代モデル（1996年-2013年）

ベルランゴの初代モデルは1996年7月に発売され、「マルチスペース」と呼ばれる乗用車仕様が登場しました。このモデルは、乗用ミニバンタイプの他にもハッチバックやオープンデッキタイプを含む多様なコンセプトカーが発表されました。2002年と2004年には、デザインのマイナーチェンジが実施されています。初代の生産は2013年まで行われ、その後も南米などでの販売が続きました。

2代目モデル（2008年-2018年）

続いて登場した2代目ベルランゴは、2008年に正式発表され、乗用板の「マルチスペース」が再登場しました。2012年にはフェイスリフト版と、電気自動車のモデル「エレクトリック ベルランゴ」が初公開され、進化を続けました。2017年には電気自動車版「e-ベルランゴ・マルチスペース」が発表され、高いエネルギー効率と性能を持つことが強調されました。

3代目モデル（2018年-現在）

2018年に発表された3代目ベルランゴは、PSAグループの新しいプラットフォーム「EMP2」を採用した最新のモデルです。デザインは他のシトロエン車両と共通する要素を取り入れており、ボディサイドには空気を内包した「エアバンプ」を装備。これにより、事故時の衝撃を緩和する工夫がされています。3代目はショートボディとロングボディの2種類があり、それぞれ最高の快適性を提供します。

2021年には、BEV（バッテリー電気自動車）仕様の「e-ベルランゴ」が登場し、航続距離や出力などの性能において向上したモデルが供給されるようになりました。特に、2023年に発表された最新マイナーチェンジモデルは、デザインが一新され、航続距離が最大320kmに伸びるなど、更なる改善がなされています。

日本市場での展開

日本では、5人乗りビークルから7人乗り仕様まで、多様な選択肢が提供されています。また、特別仕様車の投入も頻繁に行われ、消費者の関心を引き続けています。特に、日本向けに特別に調整されたモデルや先進的な運転支援機能を搭載したグレードが人気を集めています。これにより、シトロエンベルランゴは家庭用や商業用としての需要にも応えるバンとして認知されているのです。

これからもベルランゴは、フレキシブルなモビリティの選択肢として、進化を続けていくことでしょう。

もう一度検索