シドニー・ヴァルピー・ラドリー＝ウォルターズ

シドニー・ヴァルピー・ラドリー＝ウォルターズの生涯と軍歴

シドニー・ヴァルピー・ラドリー＝ウォルターズ（1920年1月11日 - 2015年4月21日）は、カナダ出身の軍人であり、第二次世界大戦中には著名な戦車エースとして知られています。最終的には陸軍准将に昇進し、その生涯において多くの戦功を重ねました。

ラドリー＝ウォルターズは、カナダのガスペで生まれ、大学を1940年に卒業した後、同年にカナダ陸軍に入隊しました。彼が最初に参加した部隊はシェルブルック軽騎兵連隊であり、この部隊は1942年に第27機甲連隊として再編成され、ヨーロッパへ派遣されました。

ラドリー＝ウォルターズは、1944年6月6日のノルマンディー上陸作戦に参加し、M4中戦車部隊の指揮官として行動しました。彼はその間に知識と経験を活かして、ドイツの装甲部隊と戦闘を繰り広げ、初戦果としてIV号戦車を撃破しました。

彼の戦歴の中で特筆すべきは、1944年8月8日に日独の戦車エースであるミハエル・ヴィットマンの乗るティーガーIを撃破したとされる出来事です。これについては、ラドリー＝ウォルターズが用いたシャーマン・ファイアフライの存在が強調されており、ヴィットマンもまた戦車エースとして名を馳せていました。ただし、この戦果については決定的な証拠がないため、議論が続いています。また、当時のイギリス陸軍員であるジョー・エキンズが自身の撃破を主張していますが、最近の研究はカナダのファイアフライによるものとする説を後押ししています。

ラドリー＝ウォルターズはノルマンディーやファレーズ・ポケットで指揮を執り、その優れた指導力が評価され、殊功勲章や武功十字章を受賞しました。彼はこの間に2度の負傷を経験しながらも、アメリカ陸軍第101空挺師団と共に行動し、終戦までに18両の戦車及び多くの装甲車を撃破するという驚異的な記録を保持しました。これはカナダにおけるものであるだけでなく、連合国全体においてもトップクラスの戦績とされています。

1945年7月には中佐に昇進し、シェルブルック軽騎兵連隊の指揮を執り、戦後はキプロスやエジプトにて平和維持活動にも従事しました。その後、1957年には第8カナダ軽騎兵連隊の指揮官に就任。1961年から1962年にかけてはNATO国防大学での教育を受け、続いて欧州連合軍最高司令部に在籍しました。カナダに帰国後は王立カナダ機甲学校の指揮官を務め、1968年には准将としてペタワワ駐屯地部隊の指揮官に就任しました。

ラドリー＝ウォルターズは1974年12月に退役し、その後は彼の指揮力に関する特集記事がカナダの軍情報誌に2度掲載されました。彼は2015年4月21日に逝去し、その生涯はカナダの軍の歴史において重要な一ページを刻んでいます。

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