シノルニトイデス

シノルニトイデス（Sinornithoides）とは

シノルニトイデスは、「中国の鳥型のもの」という意味を持つトロオドン科に属する獣脚類恐竜です。この属には、唯一の種であるSinornithoides youngiが含まれています。この恐竜は約1億1300万年前の白亜紀前期に生息し、主に現在の中国・内モンゴル自治区に分布していたとされています。シノルニトイデスの体長は約1メートルで、無脊椎動物や小型の動物を捕食していた可能性が高いと考えられています。

発見の歴史

1988年、中国とカナダの共同研究チームが内モンゴル自治区のオルドス盆地で小型獣脚類の化石を発見しました。これを基に、タイプ種であるSinornithoides youngiは1993年にデイル・ラッセルと董枝明によって正式に命名されました。属名はラテン語の「中国」を意味するSinaeとギリシャ語で「鳥」を意味するὄρνις（ornis）、さらに「似たもの」を意味する接尾語~ειδής（~eides）を組み合わせたもので、鳥に似た体格を指しています。また、種小名は楊鍾健への献名です。

ホロタイプの標本（IVPP V9612）は頭骨を含むほぼ完全な骨格で、関節がつながった状態で保存されており、特に睡眠時の姿勢が特徴的です。この標本は成体とは異なり、亜成体の個体に属します。

特徴

シノルニトイデスは比較的小型の恐竜でした。2010年には、体長を約1.1メートル、体重を約2.5キログラムと推定する研究も発表されています。1994年には、シノルニトイデスが知られているトロオドン科の中で最も完璧な状態の化石が公開されたため、その特徴が詳しく研究されました。

頭骨は細長く尖っており、体全体に比べると比較的短い形状をしています。前上顎骨は短く、珍しいことに上顎骨の側面には小さな開口部が存在しました。前上顎骨には4本、上顎骨には23本の歯があり、上顎骨の歯には鋸歯が確認されません。涙骨には含気性の小溝がなく、脳函内の特定部位の大きさも特筆すべき点です。下顎の先端は内側で接触しており、形状が独特であります。

腕はそれほど発達しておらず、上腕骨や尺骨は細く、第二趾の鉤爪はかなり発達しています。これは他のトロオドン科に比べて大きな特徴の一つです。

系統

シノルニトイデスは1994年にトロオドン科に分類され、その系統樹の位置はTurner, Makovicky and Norell(2012)の研究によって示されています。このように、シノルニトイデスは、恐竜の進化における重要な位置を占めており、研究者たちによっても注目されています。

詳細な研究が進むことで、この恐竜の生態や生活環境がさらに明らかになっていくことでしょう。

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