シバ王国

シバ王国（またはシェバ王国）は、旧約聖書に記述されるシェバという地域に存在したとされる古代国家です。特に、ソロモン王とシバの女王の物語は広く知られています。

名称について

この国は、アラビア語で「サバア（سبأ, Saba'）」、ヘブライ語で「シェバ（שבא）」と呼ばれます。英語ではヘブライ語を転写した「シーバ（Sheba）」という名称が用いられ、日本語ではこの英語名が変化した「シバ」という表記が一般的です。

同一視されるもの

日本では、旧約聖書の『列王記』に登場する「シェバ」、中世アラビア語文献に記述される南アラビアのサバア（サバ）王国、そして南アラビアの一次史料（碑文）に確認される国家「シャバァ」は、しばしば同一のものとして扱われます。歴史家のフラウィウス・ヨセフスは、著書『ユダヤ古代誌』でエジプト南部の都市「サバ（メロエ）」と旧約聖書のシェバを同一視しました。また、5世紀の歴史家フィロストルギオスは『教会史』において、サバ王国を旧約聖書に登場するシェバの国として解説しています。

シバ王国の研究は、聖書、考古学、言語学など、多岐にわたる分野にまたがっています。今後の研究によって、その実態がさらに明らかになることが期待されています。

参考文献：
蔀勇造「サバ王国」『古代オリエント事典』収録（岩波書店, 2004年12月）
蔀勇造『シェバの女王』（Historia, 山川出版社, 2006年5月）

関連項目：
サバア (クルアーン)
エチオピア
メネリク1世
ラテン語語句（N.B. Nota Bene）: Genesis（創世記） X:27

外部リンク：
Queen of Sheba mystifies at the Bowers - UC Irvine news article on Queen of Sheba exhibit at the Bowers Museum
A Dam at Marib from the 'Saudi Aramco World' online - March/April 1978

もう一度検索