シビュルティオス
シビュルティオスについて
シビュルティオス（希：Σιβύρτιος）は、アレクサンドロス3世に仕えた家臣であり、紀元前4世紀に生まれたとされています。出身地はクレタであり、彼の名前は歴史において重要な役割を果たしました。特に、彼の政治的・軍事的活動は後世に多くの影響を与えています。
紀元前326年、アレクサンドロスの東方遠征の際、シビュルティオスはカルマニアの太守に任命されます。しかし、その後の展開で、彼はゲドロシアの太守トアスが亡くなった後、その後任者となったメノンの死を受けてアラコシアとゲドロシアの両方の太守に転任しました。このように、彼は複数の領地を治める重要なポジションを得ました。
アレクサンドロス大王の死後、バビロンで行われた会議においても彼は太守の地位を保持しました。さらには、紀元前317年、メディアの太守ペイトンがパルティアに侵攻した際、シビュルティオスはペルシスの太守ペウケスタスらと共に連携し、ペイトンに対抗しました。この戦いの中での彼の活躍は、彼の軍事的才能を強く印象付けます。
同年、ペウケスタスがエウメネスに合流する際、シビュルティオスも同行しました。ただし、シビュルティオスとペウケスタスは親友でしたが、この関係はエウメネスとの間に緊張を生じさせました。エウメネスは指揮権を巡ってシビュルティオスを裁判にかけようとしましたが、彼はこれを逃れ、恐らくエウメネスの敵、アンティゴノスの元へと逃げました。
このエウメネスとの断絶は結果的にシビュルティオスにとって有利に働き、アンティゴノスはエウメネスを破った後、シビュルティオスの太守としての地位を保障しました。また、銀楯隊と呼ばれる精鋭部隊がシビュルティオスの指揮下に置かれ、異民族に対する防衛任務が与えられました。これはアンティゴノスが銀楯隊を反骨的な部隊とみなし、処遇を変えた結果です。彼らはその後、シビュルティオスの指揮のもとで活動を続けました。
さらに、歴史家アッリアノスによれば、シビュルティオスはセレウコス1世の大使メガステネスがインドへ派遣された際、彼の許で過ごしたとされています。紀元前303年にチャンドラグプタとの条約締結後もシビュルティオスは生存しており、その後も長い期間太守の地位を保持していたとされています。しかし、彼が具体的にいつ亡くなったかについては詳細が不明です。
参考文献
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