シボレー・エクイノックス(Chevrolet Equinox)は、米
ゼネラルモーターズ(GM)が製造・販売を手掛ける
クロスオーバーSUVです。
シボレーブランドのラインナップにおいて、サイズ的には小型から中型に位置づけられており、特にピックアップトラックのシルバラードに次ぐ高い販売実績を誇る、ブランドの看板車種の一つとなっています。
歴史
初代 (2005年-2009年)
エクイノックスは、
シボレーブランド初の
クロスオーバーSUVとして誕生しました。それまで存在していたブレイザーと、
スズキ・エスクードのOEM供給を受けていたトラッカーという2つのモデルの役割を統合する後継車種として開発され、
2004年から製造が開始され、2005年モデルとして市場に投入されました。翌2005年1月には、プラットフォームを共有する兄弟モデルである
ポンティアック・トレントが
ロサンゼルスオートショーで発表され、同年夏には販売が開始されています。
初代エクイノックスに当初搭載されたエンジンは、上海GMで生産されたLNJ型3.4リッターV6で、これにはアイシン製のAF33型5速
オートマチックトランスミッションが組み合わされました。さらに、
2008年モデルイヤーからは、より高出力なLY7型3.6リッターV6エンジンに6T70型6速
オートマチックトランスミッションを組み合わせたスポーツモデル、「エクイノックススポーツ」および兄弟車「トレントGXP」がラインナップに追加されています。
使用されたプラットフォームは、当時のサターン・ヴューなどにも採用されていたGMシータプラットフォームをベースとしていますが、エクイノックスとトレントでは
ホイールベースが延長されたものが特別に採用されています。駆動方式は、
前輪駆動(FWD)と
四輪駆動(AWD)から選択が可能でした。生産は
カナダにある
CAMIオートモーティブで行われました。なお、
メキシコ市場においては、
2009年モデルイヤーの販売は行われなかったという特徴があります。
2代目 (2010年-2017年)
2代目となるエクイノックスの概要は
2008年12月21日に公表され、翌
2009年1月に開催された
北米国際オートショーで初めて一般公開されました。そして、同年6月からは2010年モデルとして販売が開始されています。この世代でも、プラットフォームは引き続きGMシータプラットフォームが使用されました。
搭載されるエンジンは、初代と比較して大幅にダウンサイジングが図られました。
直列4気筒2.4リッター直噴エンジンと、
V型6気筒3.0リッター直噴エンジンの2種類が設定されましたが、2013年モデルイヤーからは、
V型6気筒3.6リッター直噴エンジンが新たに追加されています。
トランスミッションは、全モデルで6速オートマチックが採用されました。
2015年には、
シカゴオートショーにてエクイノックスのマイナーチェンジモデルが発表されました。この改良では、フロントグリル、ヘッドライト、リアデザインなどが刷新され、より現代的な外観へと変化しています。
メキシコ市場では、2010年モデルイヤーから2年間販売された後、一旦販売が休止されていましたが、
2016年モデルイヤーからはキャプティバスポーツに代わる形で販売が再開されています。
3代目エクイノックスの概要は、
2016年9月22日に発表されました。この世代は、北米市場だけでなく、世界115の市場での販売が計画されたグローバルモデルとして位置づけられています。これは、中国やオセアニア(ホールデンブランド)で販売されていたキャプティバや、ラテンアメリカで展開されていたキャプティバスポーツといった、それまで地域ごとに展開されていたモデルを統合する役割も担っています。
韓国GMでも、キャプティバとオーランドの生産を終了し、代わりにエクイノックスを輸入販売する体制へと切り替えられました。
プラットフォームは、クルーズやビュイック・エンビジョンなどにも用いられている最新のGM・D2XXプラットフォームへと全面的に変更されています。これに伴い、車体外寸は先代モデルよりもやや小型化されました。
搭載されるエンジンラインナップは、さらにダウンサイジングが進んでいます。
直列4気筒1.5リッターターボ、
直列4気筒2.0リッターターボ、そして
直列4気筒1.6リッターターボディーゼルの3種類が設定されています。特に2.0リッターターボモデルには、新開発された9T50型9速
オートマチックトランスミッションが組み合わされるなど、パワートレインの進化も特徴です。また、この3代目エクイノックスをベースとして、新世代のトラバースが開発されています。
エクイノックスという名称は、「
分点」を意味する言葉としても知られています。