シマゴマ

シマゴマ（島駒）

シマゴマ（学名：Luscinia sibilians）は、スズメ目ヒタキ科に属する鳥類で、主にロシア東部のバイカル湖の周辺から沿海州、さらにはサハリンにかけて繁殖のために夏鳥として渡来します。冬季には、中国南部や東南アジアへと移動して越冬します。

分布

日本においては、シマゴマは春に姿を見せる旅鳥として観察されますが、その出現頻度は非常に少なく、特に日本海側での記録が目立ちます。観察例は全て単独でのものとなっており、小さな体と地味な体色から、非常に見つけにくい存在です。

形態

シマゴマは全長約13cmで、その体は小柄でコンパクトな印象を与えます。額から尾にかけての上面は褐色で、尾には赤みがかった褐色が見られます。腹部は白色であり、頸の両側や胸、脇にはオリーブ色を帯びた褐色の鱗状斑が特徴的です。この独特な模様がシマゴマの識別に役立つ要素となっています。

生態

シマゴマは平地の低木林や竹林など、比較的薄暗い環境を好むため、その姿を見つけるのは難しいですが、彼らのさえずりは存在を知る手がかりとなります。さえずりは「ヒュルルルル」という音で、コルリによく似ていますが、若干震えた感じがあり、その声量は控えめです。

このさえずりは、特に繁殖期のオスがメスを引き寄せるために行う行動であり、またその繊細な声は周囲の環境に溶け込みやすい特性を持っています。そのため、さえずりを注意深く聞くことが非常に重要です。

結論

シマゴマは、その魅力的な外見と独特なさえずりで多くの鳥愛好家の注目を集めています。日本では数が少ないながらも、その存在は春の訪れを感じさせる美しい鳥として、出会う機会を待ち望む愛好者にとって特別な意味を持っています。日常生活で見逃されがちな彼らに、ぜひ心を留めてみてはいかがでしょうか。

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