シモノペトラ修道院

シモノペトラ修道院

シモノペトラ修道院（ギリシャ語: Σιμωνόπετρα）は、ギリシャ、アトス山の修道院共同体に位置する正教会の修道院です。シモノスペトラ修道院（ギリシャ語: Μονή Σίμωνος Πέτρας）としても知られています。アトス山修道院の階級においては第13位に位置づけられています。

位置

修道院はアトス半島の南岸、ダフニのアトス山港とオシウ・グリゴリウ修道院の間に位置しています。アトス山の南岸は険しい岩場が多く、シモノペトラ修道院もまた、その急峻な地形に建てられています。海面から330メートルもの高さの巨大な岩の上にそびえ立ち、その崖下は海へと続いています。

歴史

シモノペトラ修道院は、13世紀にアトス山の聖シモンによって創設されました。シモンは、生神女が夢に現れ、岩壁の頂上に修道院を建設するように告げ、その修道院とシモン自身を守り養うと約束したと伝えられています。当初、この修道院は「新ベツレヘム」と呼ばれ、ハリストス（キリスト）の降誕に捧げられました。

1364年には、セルビアの専制君主ヨヴァン・ウグィジェサが修道院の改修と拡張を支援しました。しかし、1581年には大火災が発生し、多くの修道士が犠牲となり、修道院は焼失してしまいました。その後、修道院の掌院であったエヴゲニオスが再建資金を求めてドナウ公国へ赴き、ワラキアの大公ミハイ勇敢公から多大な寄付を得て再建が実現しました。しかし、その後も1626年と1891年に火災が発生し、現在の姿はその後再建されたものです。

数世紀の間、修道院の修道士はアナトリア半島のイオニア出身者が中心でしたが、20世紀中盤には新たな修道士の流入が減少し、衰退の危機に瀕しました。1973年にアトス山共同体は、ほぼ放棄されていたシモノペトラ修道院の再興を決定し、メテオラの大メテオロン修道院から修道士たちが移り住み、今日に至ります。

建築

シモノペトラ修道院は、複数の多層構造の建物から構成されており、その中心は創設者シモンが最初に建設した場所にあります。この中心となる建造物は、「半島において最も奇抜な建築物」と評されています。修道院では階層を上から下に数える伝統があり、最上階が1階、最下階が最終階となります。修道院は巨大な岩の頂点に建設されており、下の階では岩が建物を貫通しています。

修道院の拡張と造成は、過去の火災による被害からの復旧作業と並行して継続的に行われてきました。1580年の火災後には、エヴゲニオス大修道院長の資金によって西側の建物が建設されました。1981年の火災後には、ロシアからの資金援助によって東側の建物が再建されています。

聖歌隊

近年、シモノペトラ修道院の聖歌隊が歌うビザンティン聖歌のコレクションがリリースされています。中でも「アグニ・パルテネ（Agni Parthene）」は特に人気が高く、聖歌隊と修道院の認知度を大きく高める要因となっています。

作品

Hymns from the Psalter（聖詠からの聖歌）　1990年
O Pure Virgin （おお、浄き童女よ）　1990年 - 別名：アグニ・パルテネ（Agni Parthene）
Divine Liturgy　（聖体礼儀）　1999年
Great Vespers　（大晩課）　1999年
Paraklesis　（パラクリシス）　1999年
Service of Saint Simon　（聖シモンの奉神礼）　1999年
Sunday Matins (Orthros)　（主日早課）　1999年
Service of St. Silouan the Athonite　（アトスの聖シルアンの奉神礼）　2004年

画像

（画像は説明文では省略します）

参考

マウント・アトス.gr
ヘレニック・ミニストリー・オブ・カルチャー

外部リンク

* シモノペトラ修道院、グリーク・モナストリーズ.netより（英語）

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