シャフリヤール (競走馬)

シャフリヤール：偉大な王の名を継ぐ名馬

シャフリヤールは、2018年4月13日に北海道安平町のノーザンファームで生まれた競走馬です。父は日本競馬史に名を刻む名種牡馬ディープインパクト、母はG1競走を制したドバイマジェスティという良血馬です。馬名の意味はペルシャ語で「偉大な王」であり、その名の通り、数々のレースで素晴らしい走りを見せてきました。

生い立ちと育成

幼少期のシャフリヤールは、全兄のアルアインとは対照的に、小さく華奢な体つきでした。ノーザンファームでは食が細く、飼い葉を選り好みする面がありましたが、放牧地では目立つ動きを見せ、その才能の片鱗を感じさせました。サンデーレーシングによって1億2千万円という高額で募集され、「本馬の真髄は究極の軽さ」というキャッチコピーがつけられました。1歳時にはノーザンファーム空港で育成が始まり、馬体の成長を促すための特別な調教が行われました。2歳の春頃には状態が向上し、函館競馬場でゲート試験に合格しています。

デビューから東京優駿制覇

2020年10月、シャフリヤールは京都競馬場でデビュー戦を迎え、1番人気に応えて勝利を飾りました。その後、皐月賞ではなく、東京優駿（日本ダービー）を目標に調整が進められました。3歳時には、共同通信杯で3着、毎日杯ではレコードタイで重賞初制覇を達成しました。そして迎えた東京優駿では、皐月賞馬エフフォーリアを破り、見事優勝。この勝利は、毎日杯から直行で東京優駿を制した史上初の快挙であり、シャフリヤールの名を一躍有名にしました。また、騎乗した福永祐一騎手は東京優駿連覇を達成しました。

古馬との戦い、そして海外へ

秋には神戸新聞杯で4着に敗れましたが、ジャパンカップでは3着と好走。3歳秋のレースを終えると、2400メートルでの活躍を見込み、ドバイシーマクラシックへの挑戦が決定しました。2022年、シャフリヤールはドバイシーマクラシックで優勝し、日本ダービー馬として初の海外G1制覇という偉業を成し遂げました。その後、イギリスのプリンスオブウェールズステークスに出走し4着。秋には天皇賞（秋）で5着となった後、ジャパンカップで2着と健闘しました。

晩年と引退

5歳時にはドバイシーマクラシック5着、札幌記念11着と不本意な結果が続きましたが、ブリーダーズカップターフで3着と善戦しました。その後、香港ヴァーズへの出走は取りやめとなりましたが、有馬記念に出走し5着。6歳時にもドバイシーマクラシックで2着、ブリーダーズカップ・ターフで3着と海外レースで活躍を見せました。そして、引退レースとなった有馬記念では2着と、最後までファンを魅了しました。

シャフリヤールの特徴と評価

シャフリヤールは、その柔らかい身のこなしと、独特の仕草が特徴的な馬です。担当の調教助手からは「人間で遊ぶところがある」と評されています。競走馬としての能力はもちろんのこと、その個性的なキャラクターも多くのファンに愛されました。また、血統面も優秀で、全兄のアルアインは皐月賞と大阪杯を制しており、兄弟で重賞制覇を達成しています。

シャフリヤールは、日本競馬界に大きな足跡を残した名馬として、その名前は長く語り継がれることでしょう。

主な勝ち鞍
2021年: 東京優駿（日本ダービー）
* 2022年: ドバイシーマクラシック

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