シャルル3世 (ロレーヌ公)

シャルル3世は、1543年2月18日にロレーヌ公フランソワ1世とクリスティーヌ・ド・ダヌマルクの長男としてナンシーで誕生しました。ドイツ語ではカール3世と呼ばれます。1545年に父が亡くなったため、幼くしてロレーヌ公位を継承し、母クリスティーヌが摂政として政治を執り行いました。

1559年、フランス王アンリ2世の次女であるクロード・ド・ヴァロワと結婚しました。この結婚はロレーヌ公国とフランス王室との関係を深める上で重要な役割を果たしました。しかし、この時代は政治的・宗教的な対立が激しく、シャルル3世もその影響を受けることとなります。

シャルル3世の治世は、ロレーヌ公国の安定と発展に尽力した時代でした。彼は内政面では経済の活性化に努め、また、教育機関の設立にも力を注ぎました。外交面ではフランスとの関係を維持しつつ、神聖ローマ帝国内でのロレーヌの立場を確立しようとしました。領土拡張にも意欲的で、近隣の小領主との紛争も度々起こっています。

また、しばしば「シャルル2世」と表記されることがありますが、これはロレーヌ公家がエルサレム王国の王位請求権を持っていることに由来します。この称号は、単なる名目だけでなく、当時のヨーロッパの政治状況や各国の思惑を反映したものでした。シャルル3世は、ナポリ王国の王位請求権を示すためにカラブリア公の称号を用いることもありました。

シャルル3世は1608年5月14日に亡くなるまで、ロレーヌ公としてその生涯を全うしました。彼の子孫はロレーヌ公国の歴史において重要な役割を果たし、特に長男のアンリ2世は後を継いでロレーヌ公となり、その血筋は今日まで続いています。

シャルル3世とクロード・ド・ヴァロワの間には、多くの子女が生まれました。

アンリ（ハインリヒ）（1563年 - 1624年） - ロレーヌ公アンリ（ハインリヒ）2世。父の後を継ぎ、ロレーヌ公となりました。
クリスティーヌ（クリスティーナ）（1565年 - 1637年） - トスカーナ大公フェルディナンド1世・デ・メディチと結婚。メディチ家との関係を築きました。
シャルル（カール）（1567年 - 1607年） - 詳細不明。
アントワネット（アントニア）（1568年 - 1610年） - 詳細不明。
アンヌ（アンナ）（1569年 - 1676年） - 詳細不明。
フランソワ（フランツ）（1572年 - 1632年） - ロレーヌ公フランソワ（フランツ）2世。後に公位を継ぎました。
カトリーヌ（カタリーナ）（1573年 - 1618年） - 詳細不明。
エリザベート（エリーザベト）（1574年 - 1635年） - 詳細不明。

これらの子供たちは、ロレーヌ公国の政治や社会に大きな影響を与えました。シャルル3世の治世は、激動の時代でありながらも、ロレーヌ公国の発展に大きく寄与したと言えるでしょう。

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