シャーフージー2世

シャーフージー2世の生涯と王国の歴史

シャーフージー2世（Shahuji II）は、1738年から1739年まで南インドのタミル地方、特にタンジャーヴール・マラーター王国の君主として知られる人物です。彼の人生は、王位継承を巡る劇的な出来事に彩られています。

背景と王位継承の歴史

1728年、シャーフージーは家族の災難に直面しました。父サラボージーが他界した際、彼は非嫡出子であったため、弟トゥッコージーが王位を受け継ぎました。このことは、シャーフージーにとって大きな逆境となり、その後の人生に影響を与える出来事となります。1736年にトゥッコージーが死亡すると、息子のヴィヤンコージー2世が王位に就きましたが、シャーフージーはその時も王位を主張しませんでした。

ところが、1737年にヴィヤンコージー2世が死去し、妃のスージャナ・バーイーが王座に就くと、事態は変わります。シャーフージーは、フランス東インド会社の助けを借りて、スージャナ・バーイーに対抗することを考え始めました。

即位とその後の動向

1738年、スージャナ・バーイーは権臣サイイドによって捕らえられることになります。その結果、シャーフージーはシャーフージー2世として即位することができました。しかし、彼の統治は長くは続きませんでした。1739年2月、カルナータカ太守の娘婿チャンダー・サーヒブがシャーフージーに対し、フランス東インド会社へカーライッカールを譲渡するよう要求しました。シャーフージーはこれを拒否しましたが、同年4月にはその要求を退けたことで、事態は彼にとって不利に向かっていきます。

7月には、彼はついにこの地を譲らざるを得なくなりました。このため、シャーフージーはナーガパッティナムのオランダ東インド会社やイギリス東インド会社のセント・デーヴィッド要塞への接近を試みるものの、全て失敗に終わります。シャーフージーの計画はやがてチャンダー・サーヒブに知られることとなり、タンジャーヴール・マラーター王国は彼の軍によって攻撃されました。

廃位と余生

タンジャーヴールが敵の手に落ちると、シャーフージー2世は王国への救援を求める手紙を書きますが、その間に合わず、彼自身もその統治権を失います。敵によって廃位されたシャーフージーは、洗濯女の息子であることを指摘され、タンジャーヴールの首都も陥落しました。彼は最後の望みを抱いて、ヴィヤンコージー2世の弟であるプラタープ・シングに王としての地位を求めたのです。

新たにプラタープ・シングが王位を継ぐと、シャーフージー2世は彼の治世下で余生を過ごすことになりました。短い治世にもかかわらず、彼の経験はタンジャーヴール・マラーター王国の歴史の中で重要な位置を占めています。彼の物語は、権力と裏切り、廃位の悲劇を物語るものであり、南インドの歴史の一片を今でも物語っています。無念な結末を迎えたシャーフージー2世の一生は、王国における権力争いの厳しさを痛感させるものです。

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