ヴィヤンコージー

ヴィヤンコージー：南インドの歴史に名を刻んだ君主

ヴィヤンコージー（1629年 - 1684年頃）は、南インドのタミル地方に位置するタンジャーヴール・マラーター王国の君主です。在位期間は1675年から1684年にかけてで、彼の治世には多くの出来事が起こりました。彼は時にエコージー、また時にはヴェンコージーと呼ばれることもあります。

生い立ちと若年期

ヴィヤンコージーはビジャープル王国の家臣、シャハージーの子として誕生しました。彼の幼少期は父がアフマドナガル王国に移ったことで複雑なものでしたが、1636年には父がビジャープルに亡命することとなり、そこで育てられることになります。このような背景の中で、彼は王国の政局を見守ることになりました。

彼の父、シャハージーが1664年に急死すると、広大な封土がヴィヤンコージーに相続されますが、その後の彼は異母兄シヴァージーとの間で相続を巡る争いを繰り広げることになります。

タンジャーヴールの征服

1673年9月、タンジャーヴール・ナーヤカ朝が滅ぼされ、その後、マドゥライ・ナーヤカ朝の王弟アラギリ・ナーヤカがその地を統治することとなります。しかし、タンジャーヴールの一族であるチェンガマラ・ダーサは反抗し、ビジャープル王国に援助を求めました。この訴えに応じてビジャープル王国はヴィヤンコージーを派遣する決定を下し、彼は1675年にタンジャーヴールを占拠しました。

ヴィヤンコージーは占拠後、自らがタンジャーヴールのラージャ（王）であると宣言しますが、その決断は彼自身の戦費要求が拒否されたことによるものです。この決断により、タンジャーヴール・マラーター王国が成立しました。彼は自身の支配を確認しつつも、ビジャープル王国への忠誠をつかまえていました。

シヴァージーとの確執

ヴィヤンコージーの治世の中で、兄シヴァージーとの争いが続きます。1677年、シヴァージーがカルナータカ地方への遠征中、彼はヴィヤンコージーを屈服させ、シェンジを奪いました。ヴィヤンコージーは兄に対する貢納を誓うこととなりましたが、1680年にシヴァージーが死去すると、その後継者サンバージーに対して貢納を停止しました。

死亡年の謎

ヴィヤンコージーの死に関する情報は曖昧で、彼の正確な没年は不明です。一般的には1684年もしくは1685年とされますが、一部の学者は彼が1686年まで生存していたと主張しています。また、1699年から1700年にはエコージーという名前での言及もあり、彼が退位して隠居生活をしていた可能性も指摘されています。

文学者としての側面

彼の治世はサンスクリット語とテルグ語文学の盛況期としても知られています。ヴィヤンコージー自身、ラーマーヤナのテルグ語版を制作したとされ、文学面でも notable な役割を果たしました。

まとめ

ヴィヤンコージーは南インドにおける重要な君主であり、彼の治世は政治的な影響と文化の発展が交錯する時代でありました。タンジャーヴール・マラーター王国の成立と彼自身の文化への貢献は、今日においても多くの人々に語り継がれています。

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