シュテーデル美術館

シュテーデル美術館：ドイツ・フランクフルトの至宝

シュテーデル美術館（Das Städel）は、ドイツのフランクフルト・アム・マイン市に位置する、国内外から高い評価を受けている美術館です。そのコレクションは、中世から現代に至るまでの幅広い時代とジャンルの美術作品を網羅しており、特にドイツ美術、ルネサンス美術、印象派美術のコレクションが充実しています。

歴史

この美術館は、フランクフルトの銀行家ヨハン・フリードリヒ・シュテーデルの遺言に基づき設立されました。1818年の開館以来、市民に愛され続けています。1878年には、現在の博物館・美術館が集まるシャウマインカイ通りに新館が建設され、その姿を現在まで残しています。

しかし、その歴史は決して平坦なものではありませんでした。1937年、ナチスによる退廃美術狩りにより、ファン・ゴッホの『医師ガシェの肖像』を含む多数の作品が没収されました。さらに、第二次世界大戦中には建物の多くが破壊されました。その後、1966年に再建され、1990年には20世紀美術のための別館が増築されました。

主な所蔵作品

シュテーデル美術館は、その多様なコレクションで知られています。以下に、特に注目すべき所蔵作品の一部を紹介します。

ルネサンス美術
バルナバ・ダ・モデナ『子を抱いた聖母』
サンドロ・ボッティチェリ『若い女性の肖像』
バルトロメオ・ヴェネト『女性理想像』
ハンス・ホルバイン（父）『フランクフルト・ドミニコ教会高祭壇』、『アウクスブルクのヴァイス家の一員の肖像』
ハンス・ホルバイン（子）『サイモン・ジョージ・オヴ・コーンウォール像』
アルブレヒト・デューラー『妻から嘲りを受けるヒオブ』、『髪を解いたFürlegerinの肖像』、『ニュルンベルクの女とヴェネツィアの女』、『ヤーバッハ祭壇画』
ルーカス・クラナッハ（父）『トルガウアー祭壇画』
ヤン・ファン・エイク『ルッカの聖母』

バロック美術
レンブラント・ファン・レイン『マルガレータ・ファン・ビルテルベークの肖像』、『シムソンの目つぶし』、『サウルの前でハープを弾くダヴィデ』
ヤン・フェルメール『地理学者』
ペーテル・パウル・ルーベンス『聖カタリーナの婚約/騎兵戦』、『ディドーとアエネーアース』
ディエゴ・ベラスケス『ボルハ枢機卿像』

その他
ゲオルク・フレーゲル『パンと砂糖菓子の静物画』
ヨハン・ハインリヒ・ヴィルヘルム・ティシュバイン『ローマのカンパーニャにおけるゲーテ』
ウジェーヌ・ドラクロワ『アラビア的幻想』

印象派・ポスト印象派
ギュスターヴ・クールベ『フランクフルト・アム・マインの眺め』、『波』
エドゥヴァルド・ムンク『居酒屋で』
ロヴィス・コリント『カルメンシタ』
クロード・モネ『朝食』
エドガー・ドガ『オーケストラの演奏家たち』、『右足を右手でもった踊り子』
エドゥアール・マネ『クロッケーの試合』
ピエール＝オーギュスト・ルノアール『朝食の終わり』、『ココ』
フィンセント・ファン・ゴッホ『田舎屋』
ギュスターヴ・モロー『ピエタ』
アンリ・ルソー『サン＝クルの庭園の並木道』

近代・現代美術
オーギュスト・ロダン『エヴァ』
ピエール・ボナール『白と青の縞模様の背景に横たわる裸婦』
アンリ・マティス『花と陶磁器：金蓮花』
パブロ・ピカソ『フェルナン・オリビエ像』、『女の頭』
エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー『帽子をかぶった裸婦』、『裸の少女』、『ヴァリエテ』、『盥周りの二人の女』
パウル・クレー『果物の国の眺め』
マックス・エルンスト『アキ・シュブメルシュ』
フランシス・ベーコン『エイゼンシュタインの映画『戦艦ポチョムキン』の中の保母のための習作』

ギャラリー

美術館内には、これらの名作を鑑賞できるギャラリーの他、特別展が開催されるスペースも設けられています。訪問者は、様々な角度から美術の魅力を感じることができるでしょう。

関連事項

Städelschule (シュテーデル美術学校): 美術館に併設された美術学校。多くの芸術家を輩出しています。

まとめ

シュテーデル美術館は、その歴史と芸術的価値において、ドイツだけでなく世界的に重要な美術館の一つです。訪れる人々は、数々の名作を通して、美術の歴史と美しさを体感することができます。フランクフルトを訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

外部リンク

Das Städel Museum – Kunstmuseum in Frankfurt | Städel Museum 公式ウェブサイト（ドイツ語、英語）

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