シュトゥットガルト大学

シュトゥットガルト大学は、ドイツのバーデン＝ヴュルテンベルク州州都シュトゥットガルトに位置する、歴史と伝統を誇る公立大学です。1829年、ヴィルヘルム1世によって統合芸術・商科専門学校として創立されたのが始まりです。その後、シュトゥットガルト工科学校を経て、1890年にはシュトゥットガルト工科大学となりました。この過程で、シーメンス創業者のヴェルナー・フォン・ジーメンスが電気工学部の設立に貢献したという重要な歴史も持っています。

1967年に現在の名称であるシュトゥットガルト大学へと改称されましたが、工科大学としての歴史と伝統は深く根付いており、現在も工学分野に強い大学として知られています。特に電気工学、生産技術、機械工学、土木工学の分野では高い評価を受け、ドイツを代表する工科大学の一つとして、9つの優れた工科大学からなるTU9（ドイツ9大工科大学連合）に加盟しています。

しかし、シュトゥットガルト大学は工学部だけでなく、人文科学科や経営学科なども擁する総合大学でもあります。工学分野に特化しながらも、幅広い学問分野を網羅した教育・研究体制を構築している点が特徴と言えるでしょう。

シュトゥットガルト大学は、ドイツ第6の都市であり、重要な経済都市・金融都市でもあるシュトゥットガルトに立地しています。この立地は、大学の発展に大きく貢献しており、自動車メーカーのメルセデス・ベンツとポルシェの発祥の地であるという事実からも、産業界との緊密な関係が見て取れます。

シュトゥットガルト大学の卒業生の中には、ノーベル物理学賞受賞者であるホルスト・ルートヴィヒ・シュテルマー氏をはじめ、数々の著名人が含まれます。ドイツの航空エンジニアとして活躍したアレクサンダー・バウマン氏、ダイムラー・モトーレン・ゲゼルシャフト（現メルセデス・ベンツ・グループ）の創設者であるゴットリープ・ダイムラー氏、同社の第2代取締役会会長を務めたヴィルヘルム・ハスペル氏、フォルクスワーゲンAGのCEOであったマルティン・ヴィンターコルン氏、ポルシェAGのCEOであるマイケル・マハト氏、そしてドイツ/日本IBMのCEOを務めたマーティン・イェッター氏など、世界の産業界をリードする人物を多く輩出していることは、シュトゥットガルト大学の教育レベルの高さを示す一例と言えるでしょう。

日本においては、電気通信大学や豊橋技術科学大学と協定校として連携し、活発な交流を行っています。さらに、福井大学遠赤外領域開発研究センターとプラズマ研究所、高知工科大学総合研究所と広域マイクロエレクトロニクス研究所とは部局間協定を締結し、研究分野における協力関係を強化しています。

このように、シュトゥットガルト大学は、長い歴史と優れた研究力、そして産業界との強固な連携によって、世界に貢献する人材育成に邁進し続ける、ドイツを代表する名門大学と言えるでしょう。

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