シュトゥットガルト州立美術館

シュトゥットガルト州立美術館は、ドイツのシュトゥットガルトに位置する、長い歴史を持つ美術館です。1843年に設立され、古典美術から現代美術まで、幅広いコレクションを誇ります。美術館は、旧ギャラリーと新ギャラリーの二つの主要な建物で構成されています。

旧ギャラリー

旧ギャラリーは、もともとロイヤル・アート・スクールの拠点として使用されていた古典主義建築の建物です。1843年に建設され、第二次世界大戦で大きな被害を受けましたが、1945年から1947年にかけて再建され、1948年に再開されました。

旧ギャラリーには、以下のコレクションが収蔵されています。

1300年から1550年の旧ドイツ絵画
1300年から1800年のイタリア絵画
1500年から1700年のオランダ絵画
バロック時代のドイツ絵画
1800年から1900年の美術（ロマン主義、印象派など）

これらのコレクションは、中世から19世紀までのヨーロッパ美術の変遷を辿ることができ、美術史における重要な作品を多数含んでいます。

新ギャラリー

新ギャラリーは、建築家ジェームズ・スターリングによって設計された、斬新なデザインの建物です。1984年3月9日にオープンし、そのデザインは当時、大きな議論を呼びました。新ギャラリーは、20世紀のモダンアートに焦点を当てており、パブロ・ピカソ、オスカー・シュレンマー、ジョアン・ミロ、ヨーゼフ・ボイスなど、著名な芸術家の作品を収蔵しています。

建物の設計は、カルル・フリードリッヒ・シンケルのベルリン旧博物館に影響を受けていますが、美術館の正面はベルリン旧博物館のように完全な対称形ではありません。この非対称性が、新ギャラリーのデザインの特徴の一つとなっています。

代表的なコレクション

シュトゥットガルト州立美術館には、数多くの重要な作品が所蔵されています。以下はその一部です。

アンニーバレ・カラッチ 「キリストの死」(1583–1585)
マックス・ベックマン 「魚の旅」
サルバドール・ダリ 「立ち上がる瞬間」(1938)
ジョージ・グロス 「葬儀」(1918)
フランツ・マルク 「小さな黄色い馬」(1912)
アンリ・マティス 「化粧」(1907)
ジョアン・ミロ 「穏やかな眺め、炎の中の翼を持つ鳥」(1952)
ピエト・モンドリアン 「白、赤、青のコンポジション」(1936)
パブロ・ピカソ 「軽業師（母と息子）」(1905), 「浜辺を走る女たち」(1922), 「自由な中の朝食」(1961)
バーネット・ニューマン 「赤、黄、青を恐れるのは誰II」(1967)
パウル・クレー、マルク・シャガール、ワシリー・カンディンスキーなどの作品

これらの作品は、各芸術家の代表作としてだけでなく、美術史の流れを理解する上でも非常に重要です。美術館を訪れることで、これらの作品を直接鑑賞し、美術の歴史を深く理解することができます。

シュトゥットガルト州立美術館は、その幅広いコレクションと、歴史的な建築物、そして現代的な建築物が融合した魅力的な場所です。美術ファンだけでなく、建築に興味のある人々にとっても、訪れる価値のある場所と言えるでしょう。

公式ウェブサイト: 公式ウェブサイト

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