シュトラールズント攻囲戦 (1711年)

シュトラールズント攻囲戦 (1711年-1712年)

シュトラールズント攻囲戦は、大北方戦争中に、ロシア、デンマーク、ザクセンの連合軍がスウェーデン領ポメラニアの要衝、シュトラールズントを攻略しようとした戦いです。二度にわたる攻囲戦（1711年9月7日～1712年1月7日、1712年5月～9月26日）が行われましたが、最終的にスウェーデン軍の抵抗と補給の成功により、連合軍は撤退を余儀なくされました。

背景

三十年戦争後、シュトラールズントはスウェーデンの支配下にあり、重要な要塞として機能していました。1710年、デンマークは反スウェーデン同盟に再加盟し、フレゼリク4世国王率いる大軍をシュトラールズントへ派遣。アレクサンドル・メーンシコフ将軍率いるロシア・ザクセン連合軍も合流し、シュトラールズントの攻略を目指しました。

第一次攻囲戦 (1711年9月-1712年1月)

1711年9月7日、連合軍はシュトラールズントの攻囲を開始。デンマーク軍はケーディンクスハウゼンとクニ―パー門の間、ザクセン軍はランゲンドルフとリューダースハーゲンの間に展開し、ロシア軍はフランケン門の前面に陣を敷きました。

しかし、連合軍は内部の不一致から攻城砲を十分に準備できず、ロシア軍は装備や食料も不足していました。劣悪な環境から病気が蔓延し、ロシア兵の多くが命を落としました。デンマーク軍は繰り返し要塞への攻撃を試みましたが、スウェーデン軍の堅固な守りの前に撃退されました。

一方、スウェーデン本国からは増援部隊が派遣され、リューゲン島を経由してシュトラールズントに到着。要塞への増援と食料の補給に成功し、備蓄は1712年夏まで持つようになりました。これを受け、フレゼリク4世は自軍を率いてメクレンブルクへ撤退。ロシア軍とザクセン軍も攻囲を中断し、グライフスヴァルト近郊で防備を固めました。

第二次攻囲戦 (1712年5月-9月)

1712年3月、ザクセンから攻城軍を増援するために、歩兵と大砲がスウェーデン領ポメラニアへ送られました。連合軍は、ザクセン軍とロシア軍がシュトラールズントとリューゲン島を攻略する一方、デンマークはシュターデとヴィスマールを占領するという作戦を立てていました。しかし、スウェーデン軍の牽制攻撃や、デンマーク軍によるヴィスマールの攻囲開始などにより、シュトラールズント攻囲戦の再開は遅延しました。

1712年9月初頭、連合軍は再びシュトラールズントの攻囲を開始しましたが、弾薬と大砲の不足により、短期間で中断を余儀なくされました。ザクセン軍とロシア軍は再びグライフスヴァルトに撤退しました。

1712年9月末、ステンボック元帥率いるスウェーデン軍がシュトラールズント近郊に上陸。しかし、彼らのための食糧と弾薬は、リューゲン沖の海戦でデンマーク海軍に鹵獲されてしまいました。ステンボックは連合軍に対抗するため、ダムガルテンに軍を集結させましたが、ロシア軍とザクセン軍はレックニッツ川に戦力を集中させ、デンマーク軍との合流を待ちました。その後、ステンボックはガーデブッシュの戦いでデンマーク軍を破り、連合軍の合流を阻止しました。

攻囲戦の影響

二度にわたる攻囲戦はシュトラールズントに大きな損害を与えず、町はリューゲン島からの補給路を維持しました。守備隊の損害も軽微であり、シュトラールズントは引き続きスウェーデン領ポメラニアの重要な要塞であり続けました。ザクセン、ロシア、デンマークの連合軍はその後、シュレースヴィヒとホルシュタインで戦い、ステンボック元帥はテンニングで降伏を余儀なくされました。

シュヴェート条約

1713年10月6日、プロイセンの仲介によりシュヴェート条約が締結され、スウェーデン領ポメラニアはプロイセンに差し押さえられました。そして、ロシアとザクセンはスウェーデンから攻撃を受けた場合、賠償金を受け取ることとなりました。

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