シュド・ウエスト

シュド・ウエスト（SNCASO）の歴史と業績

シュド・ウエスト（Société Nationale de Constructions Aéronautiques du Sud Ouest）は、フランスにあった航空機製造会社であり、略称はSNCASOです。1936年にフランス政府による民間航空機製造企業の国営化の一環として設立されました。この際、既存の航空機メーカーを統合し、シュド・ウエストはリオレ・エ・オリビエのロシュフォール工場をはじめとする数社を合併した結果誕生しました。また、新たにデオルにも工場が設けられました。

設立と初期の発展

シュド・ウエストは、第二次世界大戦の前夜に設立され、その設立目的はフランスの航空産業の統合と強化にありました。1940年には、同じく設立された国営公社SNCAOを吸収し、更なる規模拡大を遂げました。この時期、シュド・ウエストはフランス国内で積極的な研究開発を行い、初のジェット機であるシュドウェスト SO.6000 トライトンや、翼端噴流式ヘリコプターであるシュド・ウエスト SO.1221の開発に取り組みました。

合併と新たな挑戦

1957年には、南東航空機製造公社であるシュド・エスト（SNCASE）と合併し、シュド・アビアシオン（Sud Aviation）となりました。合併後、シュド・アビアシオンは超音速旅客機シュペル・カラベルの設計を本格的に開始しましたが、開発コストの増大に直面しました。その結果、1962年にはイギリスのBACとコンソーシアムを結成し、超音速旅客機「コンコルド」の開発に着手しました。

統合とEADSへの道

シュド・アビアシオンは1970年にノール・アビアシオン（Nord Aviation）と統合され、アエロスパシアルという新たな企業が誕生しました。アエロスパシアルは、後に国際的な航空機メーカーであるエアバスの誕生に寄与しました。最終的には、2000年にドイツのDASAとスペインのCASAと合併し、共同会社EADSが設立されました。このEADSがエアバスの親会社となり、航空機製造の分野においてさらなる発展を遂げていきました。

主な機体の一覧

シュド・ウエストが手がけた航空機には以下のような機体が含まれます：

• - SNCASO SO-177
• - SNCASO SO-30
• - SNCASO SO-80
• - SNCASO SO-90 Cassiopée
• - SNCASO SO-93, SO-94, SO-95 Corse
• - SNCASO SO-1100 Ariel I
• - SNCASO SO-1110 Ariel II
• - SNCASO SO-1120 Ariel III
• - SNCASO SO-1221 Djinn
• - SNCASO SO-3050
• - SNCASO SO-M2
• - SNCASO SO-4000
• - SNCASO SO-4050 Vautour II
• - SNCASO SO-6000 トライトン
• - SNCASO SO-6020 Espadon
• - SNCASO SO-7010 Pégase
• - SNCASO SO-7055 Deauville
• - SNCASO SO-7060 Deauville
• - SNCASO SO-8000 Narval
• - SNCASO SO-9000 Trident I
• - SNCASO SO-9050 Trident II & Trident III

終わりに

シュド・ウエストは、その短い歴史の中でフランスの航空産業に多大な影響を与えました。特に初期のジェット機やヘリコプターの開発は、航空技術の進化に寄与しました。また、数度の合併を経て、現在のエアバスの基盤を築くことになりました。このような歴史的な背景を持つシュド・ウエストの存在は、今後の航空産業においても重要な示唆を与えるでしょう。

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