ショーン・オチンコ

ショーン・ピーター・オチンコ：野球選手、そして指導者へ

ショーン・ピーター・オチンコ（Sean Peter Ochinko, 1987年10月21日 - ）は、アメリカ合衆国メリーランド州出身の元プロ野球選手（捕手）であり、現在はコーチとして活躍しています。右投右打。

生い立ちとアマチュア時代

メリーランド州で生まれたオチンコは、後にフロリダ州パークランドへ移住。ストーンマン・ダグラス高等学校では捕手として才能を発揮し、2006年には「ベースボール・アメリカ」誌の注目選手300人に選ばれました。ルイジアナ州立大学（LSU）に進学後は、捕手と一塁手を兼任し、NCAA（全米大学リーグ）でチームを牽引。特に2009年のカレッジ・ワールドシリーズ（CWS）では、決勝戦で5打数4安打と活躍し、チームの優勝に大きく貢献しました。当時のヘッドコーチ、ポール・マイニエリは彼を「クラッチヒッター、特に左投手を得意とする」と評しました。大学3年間の通算成績は、103試合出場、打率.275、11本塁打、53打点。最終学年となった2009年には、65試合に出場し、打率.333、9本塁打、57打点と自己最高の成績を収めました。

プロ野球選手として

2009年のMLBドラフトで、オチンコはトロント・ブルージェイズから11巡目（全体339位）で指名を受け、プロ入りを果たしました。A-級オーバーン・ダブルデイズでプロデビュー後、捕手、一塁手、DHとして出場。52試合で打率.324、出塁率.382、長打率.527、OPS.908という素晴らしい成績を残し、早くもその才能を発揮。オフには、ブルージェイズ傘下マイナーリーグの年間最優秀選手に贈られる「ハワード・ウェブスター賞」を受賞しました。

2010年には1A級ランシング・ラグナッツでプレーし、捕手、一塁手に加え、三塁手としても出場機会を得ました。打撃成績はやや下降したものの、109試合で打率.311、8本塁打、65打点を記録し、2年連続で打率3割を達成。再び「ハワード・ウェブスター賞」を受賞しました。

2011年はA+級ダニーデン・ブルージェイズに昇格。シーズンを通して長打力を見せつけましたが、打率は.261、OPSは.771に留まりました。

2012年にはAA級ニューハンプシャー・フィッシャーキャッツに昇格。怪我の影響もありましたが、A+級とAA級の合計で打率.278、9本塁打、42打点と安定した成績を残しました。

2013年にはAAA級バッファロー・バイソンズに昇格するも、同年8月、禁止薬物であるアンフェタミンの陽性反応が検出され、50試合の出場停止処分を受けました。2014年、2015年はAA級、AAA級でプレーし、2015年11月6日にフリーエージェントとなりました。

引退後とコーチとしての活動

2017年、オチンコは母校ルイジアナ州立大学のアシスタントコーチに就任。2018年からは2シーズン、ボランティアの打撃コーチを務め、次世代の育成に貢献しました。

プレースタイル

オチンコは、捕手としては比較的小柄ながら、優れた打撃センスを持つ選手でした。特に左投手に強く、マイナーリーグ時代には対左投手に対して高い打率を記録しました。守備面では盗塁阻止率が平均レベルであったため、一塁手としての出場機会も多くありました。

人物像

ニューヨーク・メッツのファンであり、マイク・ピアッツァを敬愛。趣味は釣り、ゴルフ、ビリヤード、卓球など多岐に渡ります。好みのタイプはブロンドの女性。ニックネームは“チンク (Chink) ”。日本語でツイートしたこともあります。

もう一度検索