シリントーン

シリントーン王女：タイの知性と慈愛の象徴

シリントーン王女（Her Royal Highness Maha Chakri Sirindhorn）は、1955年4月2日生まれのタイ王室の王女であり、ラーマ9世国王とシリキット王妃の次女です。兄である現在のラーマ10世国王の妹にあたります。タイ国内では、王位継承権を持つ王族の一人として、「プラ・テープ（พระเทพ）」、すなわち「テープ殿下」の名で広く知られています。

多岐にわたるご活躍

シリントーン王女は、タイ赤十字社の副社長、タイ王立アカデミーの歴史学部長、難民教育基金の理事など、数多くの要職を兼務されています。また、ユネスコ親善大使としても活動され、少数民族児童の文化保護や無形文化遺産の保護に尽力されています。

学術への貢献

王室初の国内大学進学者であり、チュラーロンコーン大学で学ばれました。文学、言語学、開発教育など、幅広い分野で学位を取得されており、その学術的な知識と関心は、多くの学術施設にその名を冠するほどです。特に情報技術の発展に力を入れ、農村部の学校へのパソコン寄贈や教育機関の視察などを積極的に行い、「情報技術の王女（ITプリンセス）」とも呼ばれています。

言語への造詣

シリントーン王女は、言語学にも深い関心を持たれており、サンスクリット語、パーリ語、古代クメール語などの東南アジアの古典語に精通されています。また、英語、フランス語などの欧米の言語にも堪能で、ドイツ語やラテン語も学ばれた経験をお持ちです。特に中国文化への関心は深く、中国語を操り、頻繁に中国を訪問して文化研究を行っています。

国民との交流

ラーマ9世国王晩年には、国王夫妻に代わって地方視察の公務を積極的に行われました。その際、他の王族とは異なり、常に笑顔で国民に気さくに接する姿勢は、国民からの絶大な人気を集めています。かつては、現国王であるラーマ10世よりもシリントーン王女への王位継承を望む声が大きかったほどです。

日本との深い絆

シリントーン王女は、公式・非公式を問わず、過去に何度も日本を訪問されています。特に、タイ王室と親交の深い秋篠宮文仁親王殿下とは親しい間柄でいらっしゃいます。日本の大学での名誉博士号授与式への出席や、日本の技術や文化施設視察など、様々な目的で日本を訪れ、両国の友好関係の発展に貢献されています。日本のテレビドラマ『おれは男だ!』の主演俳優である森田健作氏のファンであることも知られており、2010年の訪日時には森田氏と対面し、その後、森田氏がタイを訪問した際には表敬訪問を受けています。

シリントーン王女は、タイの王族としてだけでなく、教育者、文化人、そして国際親善大使として、多岐にわたる分野でご活躍されています。その知性と慈愛に満ちたお人柄は、タイ国民だけでなく、世界中の人々から尊敬と敬愛を集めています。

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