シルバースラッガー賞

シルバースラッガー賞について

シルバースラッガー賞は、ナショナルリーグとアメリカンリーグから、各ポジションにおいて最も優れた打撃成績を収めた選手に贈られる賞です。1980年にケンタッキー州ルイビルのバットメーカー、ヒラリッチ&ブラズビー社によって創設され、その名称は自社製品「ルイビル・スラッガー」にちなみます。毎年、各チームの監督やコーチの投票に基づいて、各リーグから合計9人の選手が選ばれます。

受賞者には、高さ3フィート（約91cm）のトロフィーが贈られます。この賞は、守備位置に関係なく外野手3人を選出するという特異なルールがあり、ゴールドグラブ賞とは異なる点です。特にナショナルリーグは2021年まで指名打者制を採用していなかったため、投手もシルバースラッガー賞を受賞できました。このトロフィーは、選手にとって特別な栄誉であり、彼らの打撃力を象徴するものとなっています。

歴代の受賞者の中でも、バリー・ボンズは特に注目に値します。彼は73本塁打というシーズン最多記録の保持者であり、外野手としては最多となる12回シルバースラッガー賞を受賞しました。その後に続くのが、捕手のマイク・ピアッツァと三塁手のアレックス・ロドリゲスで、それぞれ10回受賞しています。ロドリゲスは、遊撃手として7回、三塁手として3回と、ポジションを超えて評価されています。

各ポジションの最多受賞者も存在します。遊撃手ではバリー・ラーキンが9回、三塁手ではウェイド・ボッグスが8回、二塁手のライン・サンドバーグが7回という記録を持っています。一塁手に関しては、トッド・ヘルトン、アルバート・プホルス、ポール・ゴールドシュミットがそれぞれ4回受賞しています。指名打者においては、デビッド・オルティーズが7回の受賞を果たしました。また、投手部門ではマイク・ハンプトンの5回が最多となっています。

2020年には、ナショナルリーグ史上初となる指名打者制が導入され、マーセル・オズナがその部門で受賞しました。そして、2022年からはナショナルリーグでも恒久的に指名打者制が導入され、これにより投手のシルバースラッガー賞は廃止されることになりました。同年、新たにユーティリティープレイヤーの部門も設けられ、選手の多様な才能を評価する新たな試みが始まりました。

シルバースラッガー賞は、単に優れた打撃成績を認めるだけでなく、選手の努力と才能を称える重要な賞であり、今後も多くの選手にとっての目標となることでしょう。

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