シロキ・ブリイェグ

シロキ・ブリイェグ：ボスニア・ヘルツェゴビナの歴史と文化が交差する町

シロキ・ブリイェグは、ボスニア・ヘルツェゴビナの南西部に位置する町であり、その周辺地域を含む基礎自治体の中心地です。この地域は、ボシュニャク人とクロアチア人が主体であるボスニア・ヘルツェゴビナ連邦に属しており、西ヘルツェゴビナ県の県都としての役割も担っています。1945年から1990年までの間は、リシュティツァという名称が用いられていました。

地理

シロキ・ブリイェグ自治体には約3万人が居住しており、そのうち約1万人が都市部に暮らしています。町の面積は1168ヘクタールで、リシュティツァ川がその территориюを流れています。町の中心部は海抜約270メートルに位置し、低ヘルツェゴビナ地域に分類されます。一方、町の北部には特徴的なカルスト地形が広がる高ヘルツェゴビナ地域が広がっています。

シロキ・ブリイェグは、近隣の主要都市へのアクセスも良好です。モスタルへは約20～25キロメートル、メジュゴリエへはアドリア海沿岸を経由して約88キロメートルの距離に位置しています。また、モスタルとスプリトを結ぶ幹線道路が町を通過しており、交通の要衝となっています。

歴史

第二次世界大戦中、シロキ・ブリイェグはイタリア軍の援助を受けたウスタシャの支配下に置かれました。イタリア軍は町に要塞を築き、軍事的な拠点としました。しかし、1945年にはパルチザンが町を占領し、リシュティツァと改名しました。

終戦後、シロキ・ブリイェグを含むヘルツェゴビナ地方の西部地域は、ユーゴスラビア中央政府から親ウスタシュ、親ファシズム的な地域と見なされ、冷遇される時代が続きました。そのため、多くの住民が職を求めてザグレブやダルマチアなどの地域へ移住し、さらにドイツのガストアルバイターとして海外へ移住する者も少なくありませんでした。

住民構成

1991年に行われた国勢調査によると、シロキ・ブリイェグの人口は27,160人でした。民族別の内訳は以下の通りです。

クロアチア人: 26,864人 (98.91%)
セルビア人: 148人 (0.54%)
ユーゴスラビア人: 20人 (0.07%)
ムスリム人: 9人 (0.03%)
* その他: 119人 (0.43%)

都市部の人口は5,039人で、そのうちクロアチア人が98.8%を占めています。

シロキ・ブリイェグは、その歴史的な背景と多様な文化が織りなす魅力的な町です。ボスニア・ヘルツェゴビナを訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

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