シンガポール標準時

シンガポール標準時（SST）は、シンガポールで使用されている標準時間であり、協定世界時（UTC）よりも8時間進んでいます（UTC+8）。シンガポールでは夏時間は採用されていません。

歴史

かつてイギリス領マラヤの一部であったシンガポールは、当初、英領マラヤ標準時（UTC+7:30）を使用していました。第二次世界大戦中に日本がシンガポールを占領すると、1942年2月15日に日本標準時（UTC+9）に移行しました。しかし、終戦後にイギリスによる統治が再開されると、再びマラヤ標準時が採用されました。

シンガポールの夏時間

シンガポールは地理的に熱帯地域に位置していますが、夏時間を導入した歴史があります。1920年に「1920年夏時間条例」が採択され、夏時間として30分進めることが決定しました。これはグリニッジ標準時に対して7時間半進むことを意味します。しかし、この条例は施行後、廃案となりました。

1933年には、海峡植民地立法評議会が年に一度20分ずつ時間を調整する方式の夏時間を導入しようとしました。アーノルド・パーシー・ロビンソン卿の働きかけにより、1932年には「1932年夏時間条例」が発議され、同年12月5日に採択、同月15日に承認されました。この条例は1934年と1935年にも期間を延長して施行されました。1936年には、シンガポールの標準時が正式に20分進められ、1941年9月1日には30分延長されました。これは実質的に1920年の条例が実現したことを意味します。

マレーシアの標準化

1981年12月31日、マレーシア政府はマレー半島の時刻を30分進め、東マレーシアと時刻を統一し、UTC+8とすることを宣言しました。これに合わせてシンガポールもUTC+8に移行し、香港、台北、北京、マニラ、パースなどと同じ時間帯となりました。この標準時が現在のシンガポール標準時（SST）として採用されています。

時系列

イギリス領マラヤ標準時（UTC+7:30）
日本標準時（UTC+9）
イギリス領マラヤ標準時（UTC+7:30）
シンガポール標準時（UTC+8）

IANA時間帯データベース

IANA時間帯データベースには、シンガポールの標準時が一つ登録されています。

関連情報

ASEAN標準時
マレーシア標準時

外部リンク

シンガポール標準時（英語）
国家計量センター（National Metrology Centre）（英語）（シンガポールの公的機関）

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