シンギュラリティ (ゲーム)

シンギュラリティ (SINGULARITY) について

『シンギュラリティ』は、2010年にスクウェア・エニックスから発売されたゲームで、PlayStation 3およびXbox 360に対応している。さらにPC版もリリースされ、北米のRaven Softwareによって開発された。ゲームのジャンルはFPS（ファーストパーソン・シューティング）とサバイバルホラーであり、プレイヤーにユニークな体験を提供する。

あらすじ

物語は、架空の島「カトルガ12」が舞台となる。この島は、E99と呼ばれる未知のエネルギー物質が発見された場所であり、旧ソ連時代に軍事研究所が存在していた。2010年、アメリカの軍事偵察衛星が上空を通過した際、謎の放射線によって通信障害が発生する。このことから、アメリカはロシアの原子力施設での事故が隠蔽されているのではないかと疑い、極秘の偵察部隊を派遣する。その部隊の一員である主人公ナサニエル・レンコ大尉は、ヘリコプターでの偵察中にEMP攻撃を受け、墜落してしまう。

意識を取り戻したレンコは、周囲が破壊されているのを目の当たりにし、同じく生き延びたジェームズ・デブリン大尉と合流することを決意する。彼が移動する中で見つけるのは、数々の変死体、廃墟と化した民間ドック、さらにはスターリンの銅像であった。探索を続けるうちに、謎の光に包まれ、突然1955年の過去へと時空転移してしまう。レンコは、炎の中から叫ぶ男の声を聞きながら、壮絶な戦いとタイムパラドックスに巻き込まれていく。

システム

本作では、「タイム・マニピュレーション・デバイス（TMD）」と呼ばれる装置が重要な役割を果たす。このデバイスはE99エネルギーを利用し、様々な時空操作を可能にする。例えば、エイジング・リニューでは物体の時間を進めたり戻す能力があり、インパルスは強力な衝撃波を発生させる。さらに、重力制御によって物体を持ち上げたり、デッドロックで敵を足止めすることができる。

また、変異という能力を使えば、敵をクリーチャーに変えて混乱を引き起こすことも可能だ。クロノソナーによって、自身の進行ルートを可視化することもでき、迷いやすい戦場での道しるべとなる。このように多彩なシステムが搭載されており、プレイヤーは戦略的にゲームを進めることが求められる。さらに、オンライン対戦モードもあり、最大12人までの対戦が楽しめる。

登場人物

• - ナサニエル・レンコ大尉 (Nathanael Renko): 本作の主人公。米空軍偵察部隊に所属し、墜落後に様々な出来事に巻き込まれる。
• - ジェームズ・デブリン大尉 (James Devlin): レンコの同僚で、同じく島に墜落後に無線塔を目指す。
• - ヴィクトール・バリソフ博士 (Viktor Barisov): E99の研究者で、TMD開発の責任者。
• - ニコライ・デミチェフ博士 (Nikolai Demichev): E99に関心を持つ科学者で、主人公を付け狙う。
• - キャスリン (Kathryn): 反デミチェフ組織に属し、主人公をサポートする。

評価

本作はMetacriticでPC版が76点、Xbox 360版が76点、PS3版が77点という評価を受けており、GameRankingsでも好評価を得ている。しかし、アクティビジョンは売上目標に達しなかったことに落胆したという。レビューでは、独特の個性やガンアクション、感動的なシーンが注目された一方で、他の作品との類似点が指摘されることもあった。特に『Bioshock』に比べる声が多く、プレイヤーの好みによって意見が分かれた。

このように、『シンギュラリティ』は独自の時間操作という要素を取り入れた新鮮なFPSであり、深いストーリーと魅力的なキャラクターたちによって多くのプレイヤーを魅了している。

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