ローリング・ストーンズ『シングル・コレクション (ザ・ロンドン・イヤーズ)』:ロンドン時代の軌跡を辿る決定盤
1989年発表の『シングル・コレクション (ザ・ロンドン・イヤーズ)』は、
ローリング・ストーンズのロンドン・レコード在籍時のシングル曲を集めた3枚組CDです。単なるシングル集ではなく、ロンドン時代を彩った名曲の数々が、B面曲を含むほぼ完全な形で収録されている点が大きな魅力です。
このアルバムは、単にシングルA面曲だけを並べたものではありません。それぞれのシングルのB面に収録されていた楽曲も網羅しており、ストーンズの音楽性の幅広さを改めて認識させてくれます。さらに、これまでCD未収録だった楽曲も含まれており、コレクターにとっても見逃せない内容となっています。例えば、『
メタモーフォシス』に収録されていた楽曲などが、このアルバムで初めてCD化されたという点も特筆すべきでしょう。
全シングル曲を網羅した充実のトラックリスト
3枚組CDに収録された楽曲数は実に38曲。ディスク1から3まで、時代を彩ったシングルA面曲、そして、当時としてはアルバム未収録だったB面曲も収録しています。時代順に並べられたわけではなく、曲順も様々な要素が考慮されたものと推測されます。リスナーは、ストーンズの楽曲群を様々な角度から楽しむことが出来るでしょう。収録内容を簡単に紹介すると以下の通りです。
ディスク1: 初期の代表曲から、時代を反映した楽曲まで、初期の勢いと革新性が感じられる選曲です。「(I Can't Get No) Satisfaction」のような誰もが知る大ヒット曲から、マニアックなファンも唸らせる隠れた名曲まで、幅広い楽曲が収録されています。初期の代表曲である「
カム・オン」、「アイ・ウォント・トゥ・ビー・ラヴド」、そして「サティスファクション」までを網羅した充実のラインナップです。
ディスク2: ロンドン期の中盤から後半にかけてのシングル群。より洗練されたサウンドと、幅広い音楽性を示す楽曲が特徴です。「ペイント・イット・ブラック」のような世界的な大ヒット曲から、ファン垂涎のB面曲まで、ストーンズの音楽的進化を体感できる選曲です。特に、「ペイント・イット・ブラック」や「レット・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー」といった楽曲は、ストーンズを代表する名曲として広く知られています。
ディスク3: ロンドン時代後期の名曲の数々。「
ストリート・ファイティング・マン」や「
ホンキー・トンク・ウィメン」、「ブラウン・シュガー」といった、彼らのキャリアにおける重要な楽曲が収録されています。これらの楽曲は、ストーンズの音楽的成熟を示すだけでなく、当時の社会情勢や音楽シーンを反映した作品とも言えます。
コレクターズアイテムとしての価値
このアルバムは、単なるシングル集としてだけでなく、ロンドン時代の
ローリング・ストーンズを網羅した、まさに決定版と言える作品です。音質も当時としては最高レベルのもので、CD化によって、これまで以上にクリアなサウンドでストーンズの音楽を楽しむことができます。シングルA面曲はもちろんのこと、B面曲、そして初CD化の楽曲の数々。これだけの楽曲が収録されたアルバムは、ストーンズ・ファンにとってまさに垂涎の的と言えるでしょう。
このアルバムを通して、
ローリング・ストーンズのロンドン時代、そして彼らが歩んできた歴史を改めて振り返ることができるでしょう。単なる音楽作品を超え、時代の空気感までもが感じられる、そんな作品です。