シンシア (介助犬)

介助犬シンシアについて

シンシアは、ラブラドール・レトリバーの雌で、日本の介助犬として活躍しました。兵庫県宝塚市在住のコンピュータプログラマー、木村佳友さんのパートナーとして、その生涯を献身的に尽くしました。

名前の由来

「シンシア」という名前は、木村さんがファンであるアイドル歌手、南沙織さんの愛称にちなんで付けられました。この名前からも、木村さんのシンシアへの深い愛情が感じられます。

介助犬としての活躍

シンシアは、木村さんの車椅子生活をサポートするために、介助犬育成団体で訓練を受け、1996年7月に介助犬となりました。1998年には、毎日新聞社が介助犬の法的認知を訴えるキャンペーンを行い、その中でシンシアの存在が広く知られるようになりました。毎日新聞の地域面に掲載された「介助犬シンシア」は、1998年9月から2006年2月まで、523回もの連載を数え、多くの人々に感動を与えました。

社会への貢献

シンシアの献身的な働きぶりは、全国の人々の共感を呼び、障害を持つ人々のパートナーとして広く認められるきっかけとなりました。彼女の活躍は、ドラマ『シンシア 〜[[介助犬誕生ものがたり〜]]』や英語の教科書の題材にもなり、多くの人々に影響を与えました。1999年5月には、宝塚市が「シンシアのまち」を宣言するなど、介助犬受け入れの機運が高まり、2002年5月には身体障害者補助犬法が成立、同年10月に施行されました。シンシアは、補助犬認知運動の中で、その象徴的な存在として大きな役割を果たしました。2003年10月には、同法に基づく全国で3頭目の正式な介助犬として認定されました。

引退と最期

人間でいう60歳から70歳に相当する年齢となった2005年12月、シンシアは介助犬を引退し、木村家で余生を送ることになりました。しかし、2006年1月に脾臓に腫瘍が見つかり、緊急手術を受けるも、2006年3月14日に12歳で亡くなりました。

その後

2015年3月14日には、JR宝塚駅構内に「シンシア像」が設置され、その功績を讃えられています。

関連作品

シンシアの物語は、様々な形で語り継がれています。

写真絵本『ありがとうシンシア』（講談社）
単行本『介助犬シンシア』（毎日新聞社）
文庫本『介助犬シンシア』（新潮文庫）
小冊子『介助犬シンシア』（文溪堂：てのひら文庫小学3年）
単行本『介助犬シンシアの物語』（大和書房）
ドラマ『シンシア 〜[[介助犬誕生ものがたり〜]]』（毎日放送制作、アジアテレビ賞最優秀賞を受賞）
CM『介護保険・シンシア編』（住友生命）
舞台『夢をみせてよ』（兵庫県立ピッコロ劇団）
英語教科書『三省堂　ニュークラウン』中1用（2002年度改訂版…2005年度まで採用）Lesson8 "They Are Partners"
英語教科書『桐原書店 WORLD TREK』高1用（2003年度改訂版…2006年度まで採用）Lesson5 "Life with a Service Dog"
社会教科書『日本文教出版　公民的分野』中学用（2012年度改訂版）
『あなたの風になりたい』（歌：紙ふうせん）

関連事項

補助犬
介助犬
盲導犬
聴導犬

外部リンク

介助犬「シンシア日記」
U-NEXT（ユーネクスト）「シンシア～介助犬誕生ものがたり～」
* ＭＢＳ動画イズム「シンシア～介助犬誕生ものがたり～」

シンシアは、介助犬としての模範を示し、多くの人々に勇気と希望を与えました。彼女の功績は、これからも語り継がれていくことでしょう。

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