サキー

サキー(Sakhee)：凱旋門賞を制した名馬の生涯

サキーはアメリカ合衆国で生まれ、イギリスとUAEで競走馬としてのキャリアを築いたサラブレッドです。その名は、2001年の凱旋門賞制覇によって、競馬史に刻み込まれることとなりました。

現役時代：華々しい勝利と幾多の苦難

1999年、レスター競馬場でのデビュー戦では4着に終わりましたが、続くレースで勝利を収めると、勢いに乗って3戦2勝という好成績で初年度を終えました。

3歳となった2000年には、クラシックトライアルを制し、ダービーステークス前哨戦のダンテステークスでも勝利を収め、4連勝を達成。ダービーステークスでは一時先頭に立ちましたが、惜しくもシンダーに差し切られ、2着となりました。その後、エクリプスステークスでは4着と振るわず、休養。この期間にゴドルフィンのサイード・ビン・スルール厩舎に移籍しました。

ドバイでの調整中に膝の負傷に見舞われ、長期休養を余儀なくされます。しかし、2001年7月、ニューベリー競馬場での復帰戦で1着となり、見事な復活を遂げます。続くインターナショナルステークスでは、2着馬に7馬身差をつける圧勝劇を演じました。

そして迎えた凱旋門賞。レースでは最後の直線で押し出し、2着馬アクアレリストに6馬身差をつけて優勝。鞍上のランフランコ・デットーリ騎手は「素晴らしい馬だ」とサキーを称賛しました。

凱旋門賞制覇後、ブリーダーズカップ・クラシックへの出走を選択。先行するアルバートザグレートを追走し、直線入口で先頭に立ちますが、ティズナウと激しい競り合いを繰り広げ、ハナ差の2着に終わりました。このレースは、全米サラブレッド競馬協会によって「モーメント・オブザ・イヤー」に選ばれるほどの激戦でした。

5歳となった2002年には、ドバイワールドカップに出走するも3着に終わり、その後、膝の故障により引退を余儀なくされました。

引退後：種牡馬としての成功

2003年からは、イギリスのシャドウェルスタッドで種牡馬として活躍しました。その優れた遺伝子を受け継いだ産駒たちは、数々の競走で活躍し、サキーの名声をさらに高めました。代表的な産駒には、クイーンエリザベス2世カップとドバイデューティフリーを制したプレスヴィス、ジュライカップを制したサキーズシークレット、プール・デッセ・デ・プーランを制したティンホースなどがいます。

2021年8月20日、老衰のため24歳でこの世を去りました。競走馬としての輝かしい実績、そして種牡馬としての成功、サキーの生涯は、競馬ファンにとって永遠に語り継がれるべき物語です。 その類まれな才能と強靭な精神力、そして幾多の困難を乗り越えて掴んだ栄光は、これからも多くの人々に感動と勇気を与え続けるでしょう。

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