シードラゴン (原子力潜水艦)

USS Seadragon (SSN-584)

USS Seadragon（シードラゴン）は、アメリカ海軍に属する原子力潜水艦であり、スケート級原子力潜水艦の4隻目にあたります。この艦の名前は、タツノオトシゴに近しいシードラゴンやネズッポ科の呼称に由来しています。シードラゴンと名の付く艦は、サーゴ級潜水艦の7番艦に続く2隻目です。

艦歴

シードラゴンは1956年6月20日、メイン州キタリーにあるポーツマス海軍造船所で起工しました。1958年8月16日、艦長の妻であるロバート・L・デニスン夫人によって命名・進水され、その翌年の1959年12月5日にジョージ・P・スティール少佐の指揮のもとに就役しました。

就役後、シードラゴンはカリブ海で調整航海を行い、その後ポーツマスへ帰港。1960年8月1日には太平洋へ向け出航しました。北西航路を渡る任務に従事し、シードラゴンはパリー海峡北部に移動し、1819年のウィリアム・エドワード・パリーの日誌を頼りに海峡の東端、ランカスター海峡に到達します。

その後、海洋データの収集および水路学的な調査を行いながら、シードラゴンはバロー海峡、バイカウントメルビル海峡、マクルアー海峡を通過しました。8月21日、シードラゴンは北西航路を経由してボーフォート海に入り、8月25日には北極点に到達。同艦は初めて北極点で浮上する潜水艦となりました。乗組員たちはそこでソフトボールのダイヤモンドを描き、艦長が水曜日の午後4時にフライを打ち上げるという記念行事を行いました。

考古学的な実験後、シードラゴンは南へ進路を変更し、チュクチ海およびベーリング海峡へ向かいました。9月5日にアラスカのノームに到着し、9日後には真珠湾に帰還。その業績により、シードラゴンは海軍殊勲部隊章を授与されました。

シードラゴンはその後9ヶ月間、沿岸での任務に従事。1961年6月には初の西太平洋配備に出航し、演習や対潜水艦戦訓練を支援しました。特筆すべきは、58日間にわたる耐久潜航の成功です。10月には真珠湾に戻り、その後も沿岸で活動を続けました。

1962年7月12日、シードラゴンは再び真珠湾を出港し、北極海巡航に向かいました。姉妹艦であるスケート（USS Skate）との合流を果たし、7月31日には北極点に到達。ソナーや兵器関連の試験も行い、その後は砕氷艦との合流やワシントン州シアトルへの訪問を経て、9月14日に真珠湾へ帰還しました。

1963年前半も沿岸での任務が続き、再度の西太平洋配備が行われました。1965年、シードラゴンは日本の佐世保港に到着し、初めて原子力潜水艦としての寄港を果たしましたが、この行為には反対運動も展開されました。1968年7月には長期のオーバーホールに入渠し、1971年3月に任務を再開。

1983年6月12日に退役し、1986年4月30日に正式に除籍されたシードラゴンは、1994年10月1日から解体作業が開始され、1995年9月18日にその作業は完了しました。

この艦は、アメリカ海軍の原子力潜水艦の中で特異な航路を切り開いた顕著な存在であり、その歴史は今なお多くの人々の記憶に残っています。

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