シーボルトハウス

日本博物館シーボルトハウス

オランダのライデン市に位置する日本博物館シーボルトハウス（Japanmuseum SieboldHuis）は、フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトの旧宅を基にした博物館です。この施設は2005年に正式に開館し、日本とオランダの文化交流の場として重要な役割を果たしています。

シーボルトの旧宅

シーボルトの旧宅は、ラーベンブルグ通り19番地に位置し、16世紀初めに建設され、その後も増改築が行われてきました。シーボルトは1832年にこの邸宅を1万3千ギルダーで購入し、1837年までここに住んでいました。彼はこの地に滞在中、日本に関する調査結果をまとめた著作『日本(Nippon)』を執筆しました。

彼が日本から持ち帰ったコレクションは邸宅に展示され、その後オランダ王家に6万ギルダーで売却されましたが、これらの収蔵品はライデン民族学博物館などに収納されています。

その後、この建物はオランダ政府に譲渡され、地方裁判所として利用されていましたが、日本とオランダの交流400周年を記念した2000年の改装を経て、2005年に博物館として再オープンしました。同年5月25日には天皇皇后とオランダ国王ベアトリクスが来館し、交流の象徴的な出来事となりました。さらに、シーボルトハウスでは毎年5月に「ヤパン・マルクト」というイベントが行われ、日本の文化を紹介し、両国の交流を深めています。

2005年には、この博物館で当時の小泉純一郎首相とヤン・ペーター・バルケネンデ首相の首脳会談も行われました。このように、シーボルトハウスは文化交流の拠点としても機能しています。

収蔵品

日本博物館シーボルトハウスでは、国立民族学博物館をはじめとする様々な機関から収集された貴重な資料が展示されています。具体的には、日常生活で使われる雑貨や仏教具、日本の医療器具に加え、シーボルトが日本で得た知見を反映したさまざまな品々が展示されています。特に、日本の家屋や船の模型は訪れた人々に日本の文化の一端を感じさせてくれます。

さらに、動物の標本も数点展示されており、シーボルトが長崎で飼育していたニホンカワウソやニホンザルの標本が見られます。また、シーボルトが愛犬につけた「サクラ」という名前の剥製も展示されており、彼の日本での生活の一面を垣間見ることができます。植物標本の中には、日本人妻お滝から命名されたアジサイ「Hydrangea otaksa」や、伊藤圭介から受け取った貴重な標本帳も含まれています。

地図や風景画、写生画など、これらの収蔵品は高橋景保や土生玄碩からのもので、シーボルトの日本に関する多面的な理解を深めるための貴重な資源となっています。

日本博物館シーボルトハウスは、オランダにおける日本文化の理解を深めるための重要な拠点として、今後も多くの人々に親しまれていくことでしょう。

もう一度検索