シー・ホワット・ア・フール・アイヴ・ビーン

「シー・ホワット・ア・フール・アイヴ・ビーン」（See What a Fool I've Been）は、イギリスのロックバンド、クイーンが1974年にシングル「輝ける7つの海」のB面としてリリースした楽曲です。作詞・作曲はギタリストのブライアン・メイが手掛けました。この曲は、クイーンの初期のサウンドを特徴づけるブルージーなロックナンバーとして知られています。

この楽曲の起源は、ブライアン・メイがクイーンの前身バンド「スマイル」時代に遡ります。1968年、彼はあるテレビ番組でサニー・テリーとブラウニー・マギーの「The Way I Feel」という曲を耳にし、そのリフに感銘を受けました。しかし、当時はアーティスト名や曲名を覚えておらず、後になってそのリフと歌詞の一部を思い出し、それを基に「See What a Fool I've Been」を制作しました。このように、この曲はブライアンの過去の音楽体験と記憶が結びついて生まれた、興味深い背景を持っています。

「See What a Fool I've Been」は、当初スタジオ録音されず、主にライブで演奏されていました。しかし、その人気は高く、1976年頃までクイーンのツアーのセットリストに頻繁に組み込まれていました。1977年には、観客を入れて撮影された「伝説のチャンピオン」のプロモーションビデオの撮影時に演奏され、これがライブにおける最後の演奏となりました。その後、1991年にアルバム『クイーンII』の再発盤のボーナストラックとして、初めてアルバムに収録されました。長らくライブでのみ親しまれてきたこの曲が、公式にアルバムに収録されたことは、ファンにとって嬉しい出来事でした。

この曲のレコーディングには、フレディ・マーキュリーがリードボーカルを担当し、ブライアン・メイがエレクトリックギターとアコースティックギターを演奏しています。ロジャー・テイラーはドラムス、ジョン・ディーコンがベースギターを担当し、クイーンのメンバー全員がこの楽曲に貢献しています。

「See What a Fool I've Been」は、様々な形で収録されています。1973年7月25日にBBCセッションで録音されたバージョンは、『オン・エア～BBCセッションズ』に収録されています。また、1985年に発売されたアナログレコードのボックスセット『Queen – The Complete Works』には、『Complete Vision』と題されたディスクに、オリジナルアルバム未収録曲として収録されています。さらに、1974年3月31日に収録されたライブ音源は、『ライヴ・アット・ザ・レインボー‘74』にアンコールとして収録されており、1975年12月24日のライブ音源は『オデオン座の夜〜ハマースミス1975』で聴くことができます。これらのライブ音源は、この曲がライブでいかに重要な役割を果たしていたかを示しています。

「See What a Fool I've Been」は、クイーンの音楽的ルーツと、バンドの初期のライブパフォーマンスの熱気を伝える貴重な楽曲と言えるでしょう。ブライアン・メイのルーツミュージックへの愛情と、クイーンのライブでのエネルギーが融合したこの曲は、時代を超えて多くのファンに愛されています。

参考文献:
Lemieux, Patrick; Unger, Adam (2018). The Queen Chronology (2 ed.). Across The Board Books
Purvis, Georg (2012). Queen: Complete Works (English Edition). Titan Books

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