輝ける7つの海

「輝ける7つの海」（Seven Seas of Rhye）は、イギリスのロックバンド、クイーンが1974年に発表した楽曲です。この曲は、バンドのフロントマンであるフレディ・マーキュリーによって主に作曲されましたが、ミドルエイト部分のみブライアン・メイが手がけています。しかし、公式にはマーキュリー単独のクレジットとなっています。

この曲のタイトルと歌詞に登場する「Rhye」は、フレディが子供の頃に想像したファンタジー世界の名前です。この架空の世界は、クイーンの3枚目のアルバム『シアー・ハート・アタック』に収録された「谷間のゆり」にも登場しています。初期のクイーンの世界観を形成する上で重要な要素と言えるでしょう。

この曲には、インストゥルメンタルバージョンとボーカルバージョンの2種類が存在します。インストゥルメンタルバージョンは、ファーストアルバム『戦慄の王女』に収録されており、その後、フレディのボーカルが入ったバージョンがセカンドアルバム『クイーン II』に収録されました。シングルカットされたのはアルバムバージョンであり、全英シングルチャートで10位を記録しています。

楽曲は、特徴的なピアノのアルペジオで始まります。この印象的なピアノのフレーズは、後にアルバム『メイド・イン・ヘヴン』に収録された「イッツ・ア・ビューティフル・デイ（リプライズ）」でサンプリングされています。

また、2018年に公開された映画『ボヘミアン・ラプソディ』では、この曲のレコーディングシーンが描かれていますが、同映画のサウンドトラックには収録されていません。

ライブパフォーマンスにおいては、1974年から1976年までフルバージョンで演奏され、1986年のマジック・ツアーではメドレーの一部として披露されました。そのため、DVD『ラストツアー/クイーン1986』、CD『クイーン・ライヴ!!ウェンブリー1986』、『ライヴ・マジック』などでその演奏を聴くことができます。

シングル盤の収録曲は、地域によって異なっています。イギリス盤とアメリカ盤では、B面にブライアン・メイが作曲した「シー・ホワット・ア・フール・アイヴ・ビーン」が収録されています。一方、日本盤ではロジャー・テイラー作曲の「ルーザー・イン・ジ・エンド」がB面に収録されています。再発盤（イギリスのみ）では、B面に「シー・ホワット・ア・フール・アイヴ・ビーン」に加え、「ファニー・ハウ・ラヴ・イズ」も収録されています。

この曲の演奏メンバーは以下の通りです。

フレディ・マーキュリー：リードボーカル、バッキングボーカル、ピアノ
ブライアン・メイ：エレクトリックギター、バッキングボーカル
ロジャー・テイラー：ドラムス、ゴング、パーカッション
ジョン・ディーコン：ベースギター

「輝ける7つの海」は、クイーンの初期を代表する楽曲であり、そのドラマティックな展開とフレディ・マーキュリーの独特な世界観が、多くのファンを魅了し続けています。

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