ジェイムズ・ウォルドグレイヴ (第2代ウォルドグレイヴ伯爵)

第2代ウォルドグレイヴ伯爵 ジェイムズ・ウォルドグレイヴ

第2代ウォルドグレイヴ伯爵、ジェイムズ・ウォルドグレイヴ（1715年3月4日 - 1763年4月8日）は、イギリスの著名な貴族であり政治家でした。彼は、1757年に第一大蔵卿、すなわち実質的な首相に任命されましたが、組閣に失敗したため、今のところ正式には首相として数えられてはいません。

経歴

彼は初代ウォルドグレイヴ伯爵、ジェイムズ・ウォルドグレイヴとその妻メアリーの長男として生まれました。イートン・カレッジで教育を受けた後、1741年に父の死去に伴い沃ルドグレイヴ伯爵位を継承しました。1743年から1752年にかけてはジョージ2世の寝室侍従を務め、国王の最も近しい友人となりました。

1749年に王立協会のフェローに選出され、その後も1751年に錫鉱区長官に、1757年2月には財務省の出納官に任命されました。これらの役職において彼は、国王の政策を支え、上院での地位を確立していきました。

また、彼は1749年12月に社会的地位を高めるため、王立協会への加入も果たしました。1752年には皇太孫ジョージの家庭教師としても任命され、教育にも関与しました。

政治的混乱と首相職

1757年の政治的混乱の中で、彼は急遽、首相職を引き受けることとなりましたが、彼の任命は早々に実現しませんでした。実質的な首相であった大ピットが国王の優先政策と対立し南部担当国務大臣から解任された後、ウォルドグレイヴは国王から頼まれ、交渉に当たりました。結果的に彼は内閣を形成するための橋渡し役となりましたが、その任命は不完全なものでした。

『英国人名事典』によると、彼は6月8日から12日までの間、首相としての役割を果たしたとされている一方で、『オックスフォード英国人名事典』はこれに対して異なる見解を示し、正式に首相としての地位に就任することはなかったと記しています。6月30日にはガーター勲章を受勲していますが、彼の政治キャリアは太く長いとは言えませんでした。

最後の年と家庭

1763年には天然痘によりロンドンで死亡しました。彼には娘しかおらず、爵位は弟のジョンが継承しました。彼の未亡人マリアは、1766年に王子とひそかに結婚し、その後1772年に公表されました。

彼とマリアの間には三人の娘が誕生し、それぞれが有力な貴族と結婚しています。エリザベス・ローラは第4代ウォルドグレイヴ伯爵と、シャーロット・マリアは第4代グラフトン公爵と結婚しました。後述の娘たちの結婚は、彼女たちの社会的地位を高めることにも寄与しました。

文献

ウォルドグレイヴ伯爵の1754年から1758年にかけての出来事を回想した文献は、1821年に出版され、多くの人々に彼の業績や思想を伝えています。彼の人生は、イギリスの歴史における一つの側面を色濃く反映しており、歴史学者たちの間でも多くの研究対象となっています。

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