ジェイムズ・ハミルトン (第2代アバコーン公爵)

第2代アバコーン公爵ジェイムズ・ハミルトン

第2代アバコーン公爵ジェイムズ・ハミルトン（James Hamilton, 2nd Duke of Abercorn、1838年8月24日 - 1913年1月3日）は、イギリスの貴族として知られています。彼はガーター勲章（KG）やバス勲章コンパニオン（CB）を授与され、アイルランド枢密顧問官も務めました。

生い立ちと教育

ジェイムズ・ハミルトンは、第2代アバコーン侯爵ジェイムズ・ハミルトン（後の初代アバコーン公爵）とその妻ルイーザ・ハミルトンの長男として、サセックス州ブライトンで生まれました。父がアバコーン公爵に叙されるまでは「ハミルトン子爵」、その後は「ハミルトン侯爵」の儀礼称号で呼ばれていました。

彼はハーロー校で教育を受けた後、オックスフォード大学クライスト・チャーチに進学し、1860年に学士号（B.A.）、1865年に修士号（M.A.）を取得しました。

政治家としてのキャリア

1860年から1880年まで、ジェイムズ・ハミルトンはドニゴール県選挙区選出の保守党所属庶民院議員を務めました。1863年にはティロン県の県長官（High Sheriff of Tyrone）に任じられています。また、1865年にはデンマーク王クリスチャン9世にガーター勲章を授与するための特使としてデンマークへ派遣されました。

ウェールズ公への仕官

1866年から1885年までLord of the Bedchamberとして、1886年から1891年までGroom of the Stoleとして、ウェールズ公アルバート・エドワード王子（後のイギリス王エドワード7世）に仕えました。これにより、彼は王室との関係を深め、その後のキャリアにも影響を与えました。

爵位の相続と晩年

1885年に父親が亡くなると、ジェイムズ・ハミルトンは爵位を相続し、第2代アバコーン公爵となりました。加えて、父親が務めていたドニゴール県統監（Lord Lieutenant of Donegal）や、フリーメイソンのアイルランド・グランド・ロッジの団長も引き継ぎました。1887年にはアイルランド枢密顧問官に列せられています。1901年にはエドワード7世の即位を伝える特使として、デンマーク・スウェーデン・ノルウェー・プロイセン・ザクセンを歴訪し、翌1902年に行われたエドワード7世の戴冠式では大司馬を務めました。

受勲

1865年にバス勲章コンパニオン、1892年にガーター勲章を授けられました。その他、デンマークからダンネブロ勲章、ロシアから聖アンナ勲章、オーストリア＝ハンガリーから鉄冠勲章とレオポルト勲章を受勲しています。これらの勲章は、彼の国際的な活動と貢献を物語っています。

1913年、ジェイムズ・ハミルトンはロンドンのグローヴナー・スクエアで肺炎のため73歳で亡くなり、ティロン県ニュータウンスチュワート近くのバロンズコートに埋葬されました。

家族

1869年1月7日、初代ハウ伯爵リチャード・カーゾン＝ハウの娘メアリ・アンナとロンドンの聖ジョージ教会で結婚しました。二人の間には多くの子がいました。

第3代アバコーン公爵ジェイムズ・アルバート・エドワード・ハミルトン （1869年 - 1953年）
クロード・ペン・アレグザンダー・ハミルトン卿 （1871年）
チャールズ・ハミルトン卿 （1874年）
レディ・アレクサンドラ・フィリス・ハミルトン （1876年 - 1918年）
クロード・フランシス・ハミルトン （1878年）
レディ・グラディス・メアリ・ハミルトン （1880年 - 1917年）
アーサー・ジョン・ハミルトン卿 （1883年 - 1914年）
男子 （1886年）
* クロード・ナイジェル・ハミルトン卿 （1889年 - 1975年）


ジェイムズ・ハミルトンは、政治、王室、地域社会において重要な役割を果たし、多岐にわたる分野でその才能を発揮した人物でした。

もう一度検索