ジェイ・カトラー (アメリカンフットボール)

ジェイ・カトラー：波乱万丈のNFLキャリア

ジェイ・カトラー（Jay Christopher Cutler）は、1983年4月29日生まれのアメリカ合衆国出身の元プロアメリカンフットボール選手です。クォーターバック（QB）として、デンバー・ブロンコス、シカゴ・ベアーズ、マイアミ・ドルフィンズで12年間プレーしました。

高校時代

インディアナ州サンタクロースで育ったカトラーは、アメフトだけでなくバスケットボールや野球でも才能を発揮しました。幼い頃からシカゴ・ベアーズのファンだったことは、後のキャリアに大きな影響を与えました。

大学時代

ヴァンダービルト大学に進学したカトラーは、45試合に先発出場し、その間一度も怪我で欠場することはありませんでした。2005年には、パス3,073ヤード、21TD、9INTを記録し、SECの年間最優秀攻撃選手に選ばれました。大学4年間でパス8,697ヤード、59TDという記録は、2018年にカイル・シャーマーに破られるまで、ヴァンダービルト大学のチーム記録でした。

プロ入り

カトラーは、同期のビンス・ヤングやマット・ライナートと比較して強肩であると評価され、そのプレイスタイルからブレット・ファーヴと比較されることもありました。オークランド・レイダースやデトロイト・ライオンズが獲得に興味を示す中、2006年のNFLドラフトでデンバー・ブロンコスから1巡目（全体11位）で指名されました。

デンバー・ブロンコス時代

2006年7月27日、ブロンコスと6年契約を結びました。当初はジェイク・プラマーの控えでしたが、12月3日のシアトル・シーホークス戦で先発に昇格。その試合で143ヤード、2TD、2INTを記録しました。この試合でブランドン・マーシャルに決めた71ヤードのTDパスは、ルーキーがデビュー戦で決めたパスとしては最長記録となりました。プロ初勝利は12月17日のアリゾナ・カージナルス戦で、パス31回中21回成功、261ヤード、2TD、1INT、QBレイティング101.7という成績を残しました。翌週のシンシナティ・ベンガルズ戦でも2TDをあげ、NFLのルーキーとして初めて初出場から4試合連続で2TDを記録しました。

2007年には全試合に先発出場し、パス3,497ヤード、20TD、14INTを記録しましたが、チームは7勝9敗でプレイオフ出場を逃しました。2008年にはオフェンスキャプテンに選ばれ、パス試投数、成功数、獲得ヤードで球団新記録を達成。プロボウルにも出場しました。

シカゴ・ベアーズ時代

2009年、ブロンコスのヘッドコーチが交代し、カトラーはシカゴ・ベアーズにトレードされました。2009年シーズンはパス3,666ヤード、27TDを記録したものの、リーグ最多の26INTを喫しました。2010年には、新しいオフェンス・コーディネーターの就任やラン中心の攻撃への転換もあり、チームは11勝5敗で地区優勝とプレイオフ進出を果たしました。しかし、カンファレンス・チャンピオンシップでグリーンベイ・パッカーズに敗れました。

2012年には、ブロンコス時代のチームメイトだったブランドン・マーシャルが加入。開幕戦では勝利したものの、その後は苦戦し、脳震盪による途中退場もありました。

マイアミ・ドルフィンズ時代

2017年、ベアーズから放出されたカトラーは、当初フォックス放送の解説者に転身すると発表しましたが、ライアン・タネヒルの怪我によりマイアミ・ドルフィンズからオファーを受け、現役復帰を果たしました。しかし、安定感を欠き、故障にも見舞われました。

その他

2008年に1型糖尿病と診断されたカトラーは、それ以降、糖尿病患者や恵まれない子供たちへの支援活動を行っています。また、2011年には女優のクリスティン・カヴァラーリと結婚しました。

2013年、フォーブス誌の「全米で最も嫌われているアスリート」ランキングで4位にランクインしました。

ジェイ・カトラーのキャリアは、その才能と同時に、様々な困難や批判に直面したものでした。しかし、彼は常に全力を尽くし、多くのファンを魅了しました。

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