マット・ライナート

マット・ライナート (Matt Leinart)

マット・ライナート（Matt Leinart、1983年5月11日 - ）は、カリフォルニア州サンタアナ出身の元アメリカンフットボール選手です。ポジションはクォーターバックで、左投げの選手でした。

プロ入りまで

幼少期には斜視の手術を受けています。大学進学の際、当初はUSCへの進学を希望していましたが、コーチ陣の入れ替えがあり、ジョージア工科大学、アリゾナ州立大学、オクラホマ大学への進学も検討しました。最終的には、ピート・キャロルがヘッドコーチに就任したUSCに進学しました。

1年次には、ハイズマン賞を受賞するカーソン・パーマーの控えQBを務めました。2年次には、マット・キャセルとの先発QB争いに勝利し、11勝1敗でシーズンを終えました。ローズボウルでは、パス34本中23本成功、327ヤード、3タッチダウンを記録し、MVPに輝きました。このシーズンは、パス402本中255本成功、3,556ヤード、38タッチダウン、9インターセプトという素晴らしい成績を残し、ハイズマン賞の投票では6位となりました。

3年次には、2,990ヤード、28タッチダウンパスの成績を残し、チームを全米ランク1位に導き、ハイズマン賞を受賞しました。オレンジボウルでは、ジェイソン・ホワイト率いるオクラホマ大学と対戦し、5本のタッチダウンパスを成功させ、55-19で勝利しました。ドラフトでのアーリーエントリーも可能でしたが、4年次も大学に残る決断をしました。

4年次の2005年にも、チームはレギュラーシーズンを全勝しました。ノートルダム大学戦では、自己最高の400ヤードを投げました。特に、試合時間残り僅かの場面で、オーディブルでプレーを変更し、61ヤードのパスを成功させたプレーは語り草となっています。この年のハイズマン賞投票では、チームメイトのレジー・ブッシュ、テキサス大学のヴィンス・ヤングに次ぐ3位でした。ローズボウルでは、ヴィンス・ヤング率いるテキサス大学に38-41で敗れました。

USCでの4年間で、パス1245本中807本成功（成功率64.8%）、10,693ヤード、99タッチダウン、23インターセプトという記録を残しました。タッチダウンパスとパス成功率はUSCの記録となり、獲得ヤードもカーソン・パーマーに次ぐ2位でした。先発した37試合での敗戦はわずか2試合で、彼の背番号11は永久欠番となりました。

NFLでのキャリア

アリゾナ・カージナルス

2006年のNFLドラフトで、アリゾナ・カージナルスから1巡目全体10位で指名を受けました。6年5100万ドルの契約を結びましたが、ルーキーイヤーの11月26日のミネソタ・バイキングス戦で、NFLルーキー記録となる405ヤードのパスを投げたものの、試合には敗れました。この記録は後にマシュー・スタッフォードによって更新されました。この年、11試合に先発出場し、2,547ヤード、11タッチダウンの成績を残しました。

2007年には、鎖骨を骨折し、シーズンを棒に振りました。2008年には、カート・ワーナーとのエースQB争いに敗れ、ワーナーがチームをスーパーボウルまで導きました。2009年もワーナーの控えを務め、2010年には一度はエースQBに指名されたものの、プレシーズンでの不調から先発の座を失い、最終的にカージナルスを解雇されました。

ヒューストン・テキサンズ

カージナルス解雇後、ヒューストン・テキサンズと1年契約を結びました。2011年には、マット・ショーブの故障により先発出場しましたが、左肩を痛めて故障者リスト入りし、シーズン絶望となりました。2012年にテキサンズから解雇されました。

オークランド・レイダース

2012年、オークランド・レイダースと契約しましたが、目立った活躍はできませんでした。

バッファロー・ビルズ

2013年、バッファロー・ビルズに加入しましたが、プレシーズンゲームでの不調により解雇されました。

人物

NFLネットワークのマイケル・ロンバルディは、ライナートが練習態度やプレッシャーに弱い点を問題視され、カージナルスを放出されたと分析しています。

また、カージナルス時代には、アリゾナ州スコッツデイルでセレブリティ・ビーチボウルを開催していました。

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