ジェイ・シュローダー

ジェイ・シュローダー：波乱万丈なフットボール人生

ジェイ・ブライアン・シュローダー（Jay Brian Schroeder、1961年6月28日 - ）は、ウィスコンシン州ミルウォーキー出身の元アメリカンフットボール選手。
NFLのワシントン・レッドスキンズ、ロサンゼルス・レイダース、シンシナティ・ベンガルズ、アリゾナ・カージナルスでクォーターバック（QB）として活躍しました。

野球界からの転身、そしてNFLへ

高校時代には、俳優のフォレスト・ウィテカーとチームメイトでした。シュローダーの才能はアメリカンフットボール界だけでなく、野球界からも注目を集めます。
1979年のMLBドラフトでトロント・ブルージェイズから1巡目（全体3位）指名を受け、捕手としてマイナーリーグでプレーしました。
1996年には、キンストンのプロ野球殿堂入りを果たしています。

UCLA時代は、1980年のオレゴン州立大学戦で1試合のみ先発出場。パス10回中5回成功、120ヤード獲得という記録を残しています。
その後、1984年のNFLドラフトでワシントン・レッドスキンズから3巡目指名を受け、NFLの世界へ足を踏み入れました。

レッドスキンズ時代：輝かしい記録と苦い経験

1985年、先発QBジョー・サイズマンの負傷により、シュローダーに先発の機会が巡ってきます。
約5年ぶりの先発出場となったピッツバーグ・スティーラーズ戦で勝利を挙げると、その後も4勝1敗の成績を収めました。
翌1986年からは全試合に先発出場し、4109ヤードというフランチャイズ記録を樹立。プロボウルにも選出されるなど、スターQBとしての地位を確立しました。

チームも12勝4敗と好成績を収め、プレーオフに進出。ロサンゼルス・ラムズ、シカゴ・ベアーズを破りNFCチャンピオンシップゲームに進出しましたが、ニューヨーク・ジャイアンツに完封負けを喫しました。

1987年には、開幕戦で肩を故障。控えQBのダグ・ウィリアムスが先発を務めることになります。
シュローダーはシーズン中に復帰するも再び故障。プレーオフの先発QBの座はウィリアムスに奪われ、チームは第22回スーパーボウルで優勝。ウィリアムスがMVPを獲得しました。

翌1988年、シュローダーはジム・ラシェイとのトレードでロサンゼルス・レイダースに移籍しました。

レイダース、そしてベンガルズ、カージナルスへ

1988年のデンバー・ブロンコスとのマンデーナイトフットボールでは、前半0-24と大きくリードされましたが、後半にタッチダウンパスを連発し、オーバータイムの末に逆転勝利を収めました。

1990年には、2849ヤードを投げ、チームを12勝4敗でプレーオフに導きました。シンシナティ・ベンガルズとのワイルドカードでは勝利したものの、バッファロー・ビルズとのAFCチャンピオンシップゲームでは5インターセプトを喫し、大敗を喫しました。

1991年は不調に苦しみ、トッド・マリノビッチに先発の座を奪われました。
1992年はマリノビッチの控えとしてシーズンを迎えましたが、マリノビッチの負傷により再び先発QBを務めました。

レイダース退団後は、1993年にシンシナティ・ベンガルズと契約。シーズン途中に先発QBとなりました。
1994年にベンガルズを解雇された後、アリゾナ・カージナルスと契約。スティーブ・バーライン、ジム・マクマーンに次ぐ第3QBとしてチームを支えました。

1995年に現役を引退。NFLでの通算成績は、パス試投2808回、パス成功1426回、パス獲得ヤード20,063ヤード、パスタッチダウン114回、インターセプト108回、ラッシング獲得ヤード761ヤード、TDラン5回でした。

引退後

引退後は、2007年から Snow Canyon High School でオフェンシブコーディネーター兼QBコーチ、2008年からは Dixie High School のアシスタントコーチを務めました。
また、2007年11月からスカイスポーツのNFLカバレッジで評論家としても活動しています。

ジェイ・シュローダーは、その波乱万丈なキャリアを通して、多くのファンに感動と興奮を与えた名QBとして、その名を歴史に刻んでいます。

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