ジェリー・ディポート

ジェリー・ディポート：球団再建の立役者

ジェラルド・ピーター・ディポート（Gerard Peter Dipoto, 1968年5月24日 - ）は、アメリカ合衆国出身の元プロ野球選手であり、現在はシアトル・マリナーズの野球運営部門社長を務めています。その経歴は、選手、スカウト、そして球団経営者として多岐にわたり、野球界に大きな影響を与えてきました。

プロ入りまでの道のり

ディポートは、ニュージャージー州トムズリバーで生まれ育ち、トムズリバー北高校とバージニアコモンウェルス大学（VCU）で野球に打ち込みました。1989年のMLBドラフトでクリーブランド・インディアンスから3巡目指名を受け、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせました。

現役時代

1993年にメジャーデビューを果たし、その後、ニューヨーク・メッツ、コロラド・ロッキーズでプレーしました。2001年に現役を引退。

引退後

引退後は、球団経営者としての才能を開花させます。コロラド・ロッキーズのフロントオフィスで経験を積んだ後、ボストン・レッドソックスのスカウトとして、2004年のワールドシリーズ制覇に貢献。その後、アリゾナ・ダイヤモンドバックスのスカウト兼選手人事部長を経て、2011年にはロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムのゼネラルマネージャーに就任しました。

エンゼルスでは、監督との対立により2015年に辞任しましたが、同年、シアトル・マリナーズのゼネラルマネージャーに就任。

マリナーズ再建

マリナーズでは、長期的な視点でのチーム再建に着手しました。主力選手の放出と若手選手の獲得を積極的に行い、ファームシステムの再構築に成功。フリオ・ロドリゲス、ローガン・ギルバート、ジョージ・カービーといった有望な若手選手を育成し、球団の将来を担う戦力を揃えました。

2021年には野球運営部門社長に昇格し、チームは90勝を挙げ、プレーオフ進出まであと一歩という成績を収めました。同年オフには、サイ・ヤング賞を受賞したロビー・レイを獲得。2022年には、エウヘニオ・スアレス、ジェシー・ウィンカーらをトレードで獲得し、ルイス・カスティーヨの獲得にも成功。チームを大幅に強化し、21年ぶりとなるプレーオフ進出を果たしました。

プレースタイル

データ分析を重視した戦略と、大胆なトレードを積極的に行う手腕で知られています。長期的な視点でのチーム作りを重視し、若手選手の育成に力を注いでいます。

人物

家族を大切にする人物としても知られています。1994年に甲状腺癌の手術を受け、克服した経験を持っています。

ジェリー・ディポートは、その多岐にわたる経験と卓越した手腕で、シアトル・マリナーズを強豪チームへと導き、野球界に大きな足跡を残しています。

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