ジェリー・ブリスコ

ジェリー・ブリスコ(Jerry Brisco)は、アメリカ合衆国オクラホマ州オクラホマシティ出身の元プロレスラーです。1946年9月19日生まれ。

彼は、NWA世界ヘビー級王者として名を馳せたジャック・ブリスコの実弟であり、兄同様にアメリカン・インディアンの血を引いています。学生時代はレスリングに打ち込み、1967年2月にはAAU大会のオクラホマ州チャンピオンに輝きました。同年3月、オクラホマ州立大学を中退してプロレスラーとしての道を歩み始めます。

1969年7月には、日本プロレスに初来日を果たし、「中西部の若駒」と呼ばれ注目を集めました。その後、主に兄ジャックとのタッグチーム『ブリスコ・ブラザーズ』としてNWAの南部テリトリーを主戦場に活躍します。フロリダのCWFやジョージアのGCWなどで、数々のタッグ王座を獲得。特に、ファンクス兄弟との抗争は、オーキー（オクラホマ人）対テキサン（テキサス人）、インディアン対カウボーイという構図で人気を博し、長年にわたって続きました。

シングルプレイヤーとしても成功を収め、1974年にはGCWでNWAサウスイースタン・ヘビー級王座を獲得。CWFではNWA南部ヘビー級王座を3回獲得しています。また、1976年にはNWAウエスタン・ステーツ・ヘビー級王座も獲得しました。1970年代から1980年代にかけては、日本にも全[[日本プロレス]]に参戦し、高い人気を誇りました。

1980年代に入ると、フロリダのCWFを中心に活動し、エディ・グラハムやダスティ・ローデスらと共にブッカーとしても活躍しました。選手としてはジュニアヘビー級戦線で活躍し、1981年にはNWAフロリダ・ジュニアヘビー級王座、NWA世界ジュニアヘビー級王座を獲得。さらに、1982年にはプエルトリコのWWCでWWC世界ジュニアヘビー級王座も獲得し、タイトルを数多く獲得するレスラーとしてのキャリアを築きました。

1983年には、ノースカロライナのNWAミッドアトランティック地区にも参戦し、ジャックとのタッグチームでNWA世界タッグ王座を争いました。

長年に渡りNWAで活躍したブリスコ兄弟でしたが、1984年、GCWの株式をWWFのビンス・マクマホンに売却し、WWFに参戦。当初はベテランタッグチームとして活躍しましたが、後にジャックが引退し、ジェリー自身も現役を引退してWWFのロード・エージェントに就任します。

その後は、パット・パターソン、トニー・ガレア、ジャック・ランザらと共に、WWEのバックステージを支える存在となります。1990年代末から2000年代初頭にかけては、WWFアティテュード路線の最盛期に、ミスター・マクマホンの側近として『Raw is War』に出演。ストーン・コールド・スティーブ・オースチンやミック・フォーリーらを陥れるなど、ヒールとして活躍しました。

選手としては本格的にリングに戻ることはありませんでしたが、2000年にはWWFハードコア王座を獲得するなど、WWEに貢献しました。WCWとの視聴率戦争が終結した時期にアングル上からは姿を消し、以降はプロデューサーとして活動を続けました。

2008年3月29日には、兄ジャックと共にWWE殿堂入りを果たし、その功績が称えられました。2014年までWWEのタレント・スカウト部門も担当していました。

彼の得意技は、フィギュア・フォー・レッグロックやベリー・トゥ・ベリーなどです。NWA、WWF/WWEで数々のタイトルを獲得し、プロデューサーとしても活躍したジェリー・ブリスコは、プロレス史に名を刻むレスラーの一人と言えるでしょう。彼の功績は、多くのプロレスファンに記憶されています。

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