ジェームズ・グラハム (第2代准男爵)

サー・ジェームズ・ロバート・ジョージ・グラハム

サー・ジェームズ・ロバート・ジョージ・グラハム（1792年6月1日 - 1861年10月25日）は、イギリスの政治家であり、第2代准男爵でした。彼は、ホイッグ党、ダービー派、保守党、ピール派、そして最終的には自由党へと、その政治的立場を変えながら、ヴィクトリア朝時代前期の重要な政治的役割を担いました。

生い立ちと初期のキャリア

1792年、グラハムはカンバーランドのネザービーで、地主である初代准男爵サー・ジェームズ・グラハムの息子として生まれました。彼はウェストミンスター・スクールを経てオックスフォード大学クライスト・チャーチに進学しましたが、1812年に中退し、グランドツアーに出かけました。この旅行中、彼はイギリスの外交使節団に加わり、ローマやジェノヴァを訪問しました。1814年に帰国後、彼はホイッグ党の政治家を志すようになります。

1818年、グラハムはキングストン・アポン・ハル選挙区からホイッグ党の候補として出馬し、庶民院議員に初当選しました。その後、1820年の総選挙ではセント・アイブス選挙区から再選されましたが、翌年には選挙結果に対する有権者の反発により辞職し、一時的に政界を離れました。議員を退いている間、彼は父親の地主業を手伝い、1824年に父親の死後、第2代准男爵位を継承しました。

政治家としての台頭

1826年、グラハムは『とうもろこしと通貨』を著し、自由貿易とフリーバンキングを支持する立場を表明しました。これにより、彼は改革派の政治家として注目を集めるようになり、同年にはカーライル選挙区から庶民院議員に復帰しました。その後、1827年にはカンバーランド選挙区に移り、当選を果たしました。

1830年、グラハムは公務員給与削減問題で活躍し、グレイ伯爵内閣の海軍大臣に抜擢されました。彼はまた、選挙法改正案準備委員会の委員にも選ばれ、ホイッグ右派として、改革の行き過ぎを抑制する役割を期待されました。

党派の変遷と閣僚職

1834年、アイルランド国教会の歳入をめぐる問題で、グラハムはホイッグ右派の閣僚として改革派と対立し、辞任しました。その後、彼はダービー派を形成し、1839年までに保守党に吸収合併されました。1841年、グラハムは第2次ピール内閣に内務大臣として入閣し、スコットランド教会の分裂問題や郵便局での封書検閲問題に対処しました。彼はまた、穀物法廃止を支持し、保守党の分裂後はピール派に属しました。

1852年、グラハムはアバディーン伯爵内閣で海軍大臣に再任されましたが、クリミア戦争をめぐる対立から辞任しました。彼はピール派の長老として、1859年の自由党結成には積極的な関与はできませんでしたが、晩年まで議会で活動を続けました。

死去と家族

1861年10月25日、グラハムはネザービーの自邸で死去しました。彼は1819年にファニー・カレンダーと結婚し、3男3女をもうけました。

グラハムは、その多岐にわたる政治キャリアと、時代の変化に対応する柔軟な姿勢によって、ヴィクトリア朝時代のイギリス政界に大きな足跡を残しました。

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