ジェームズ・ヴァン・フリート

ジェームズ・アルワード・ヴァン・フリート

ジェームズ・アルワード・ヴァン・フリート（James Alward Van Fleet, 1892年3月19日 - 1992年9月23日）は、アメリカ合衆国の軍人です。彼は、第二次世界大戦と朝鮮戦争において、アメリカ陸軍の司令官として重要な役割を果たしました。

生い立ちと初期の軍歴

ヴァン・フリートは、ニュージャージー州コイテスビルで生まれました。1915年にウェストポイント士官学校を卒業し、歩兵将校として軍に入隊しました。第一次世界大戦では、ジョン・パーシング司令官の下で大隊長として従軍しました。彼は早くからその能力を発揮し、将来を嘱望されていました。

第二次世界大戦での活躍

第二次世界大戦が始まると、ヴァン・フリートは当初、連隊長として着任しました。彼は非常に優秀な士官として知られていましたが、当時の陸軍参謀総長ジョージ・マーシャルにアルコール中毒者と誤解されたため、昇進が遅れてしまいます。実際には、彼は全く酒を飲まなかったにも関わらず、同姓の人物と間違えられたのです。1944年6月のノルマンディー上陸作戦では、同期のアイゼンハワーが連合軍最高司令官、ブラッドレーが第12軍集団司令官、2期後輩のコリンズが第7軍団長という状況の中、彼はユタビーチ上陸の第一波である第4師団第8連隊長（大佐）として参加しました。しかし、その後の作戦で空挺部隊と迅速に連携するなど、その戦術手腕は高く評価され、誤解も解けたため、異例の昇進を重ね、3ヶ月ごとに昇進し、終戦時にはジョージ・パットン司令官の下で中将、第3軍団長として終戦を迎えました。

戦後の活動

1946年、ヴァン・フリートはギリシャ軍事援助団長に任命され、ギリシャ軍の再建と共産主義者の暴動の鎮圧に尽力しました。その手腕は高く評価され、各方面からその活躍を称賛されました。

朝鮮戦争での功績

1951年、ヴァン・フリートは朝鮮戦争において、マシュー・リッジウェイの後任として国連軍とアメリカ第八軍の司令官に就任しました。彼は、数で勝る共産党軍に対抗するため、リッジウェイが始めた軍事作戦を強化しました。また、士官教育や軍士官学校の設立など、韓国軍の精鋭化にも力を注ぎ、「韓国軍の父」とも呼ばれるようになりました。1953年3月31日に陸軍を退役しました。1952年4月には、朝鮮戦争で空軍将校であった息子を失うという悲劇に見舞われました。ヴァン・フリートは、朝鮮戦争中に大将に昇進しましたが、アメリカ陸軍指揮幕僚大学に行かず、ワシントン勤務も経験しないまま大将に昇進した珍しい例として知られています。

その後の活動と晩年

1954年、ヴァン・フリートは、ウェストポイント士官学校の同期生であり、当時の大統領であったドワイト・D・アイゼンハワーの特使として、韓国、日本、台湾、フィリピンなどを訪問し、中国・共産主義勢力に対する韓国を中心とした動向や懸案事項をまとめた「ヴァン・フリート特命報告書」を作成しました。この報告書は、1986年に機密解除されています。1992年、フロリダ州ポークシティにて100歳を迎えた数ヶ月後に亡くなり、アーリントン国立墓地に埋葬されました。

ヴァン・フリートは、アメリカの将軍の中で100歳を迎えた数少ない人物の一人であり、その長寿も特筆すべき点です。他に100歳を迎えた将軍は、第11代アメリカ陸軍参謀総長のジョン・L・ハインズがいます。

叙勲

ヴァン・フリートは、数々の勲章を受章しており、その功績が称えられています。

Distinguished Service Cross with two Oak leaf clusters
Distinguished Service Medal with three Oak leaf clusters
Silver Star with two Oak leaf clusters
Bronze Star with two Oak leaf clusters
Purple Heart with two Oak leaf clusters
World War I Victory Medal
American Defense Service Medal
European-African-Middle Eastern Campaign Medal
World War II Victory Medal
National Defense Service Medal
Korean Service Medal
Combat Infantryman Badge
* United Nations Service Medal

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