ジェームズ5世 (スコットランド王)

ジェームズ5世の生涯と業績

ジェームズ5世（1512年4月10日 - 1542年12月14日）は、スコットランドの王として在位した人物であり、彼の治世はスコットランドの歴史の重要な一幕を形成しています。彼は、前王の父ジェームズ4世とイングランド王ヘンリー7世の娘であるマーガレット・テューダーの子供として生まれました。

幼少時代

彼は生後わずか1年5ヶ月で、父ジェームズ4世がフロドゥンの戦いで命を落としたため、スターリング城で王位につきました。幼少期は母親と、それに続いて王位継承権の二番目に位置するオールバニ公ジョン・ステュアートの摂政によって治められ、内政においては困難な時期を過ごしました。1525年には、マーガレットの再婚相手であるアンガス伯アーチボルド・ダグラスを後見人に迎えましたが、実際には彼は自由を奪われた状態でした。

1528年に彼はこの状況から抜け出し、親政をスタートさせました。この時期、彼は国家の独立を重視し、フランスとの古い同盟の復活に注力しました。

結婚と家族

1537年、彼はフランス国王フランソワ1世の娘マデリンと結婚しましたが、結婚後間もなくして彼女は結核により亡くなりました。1528年には、フランスの名門家に生まれた初代ギーズ公クロードの娘メアリーと再婚し、この結婚からは長男ジェームズと次男アーサーが誕生しましたが、どちらも短命に終わりました。1541年の4月には、二人の子供が生後間もなく夭折しました。

政治的背景

1541年、彼の母が亡くなると、スコットランドとイングランドの間の和平も危うくなり、再び戦争の火蓋が切られました。イングランド王ヘンリー8世はカトリックからの離脱を推進し、彼の甥であるジェームズ5世にも同様の圧力をかけましたが、ジェームズ5世は教会改革に対して反発しました。

1542年11月、国境近くのソルウェイ湿原でイングランド軍に敗北した後、彼はフォークランド宮殿へと戻りますが、熱病にかかり、そのまま回復することなく12月14日に亡くなりました。彼の死去はスコットランドにとって大きな衝撃であり、この時、王妃メアリーが女児を出産した知らせを受けていました。この女児は後のスコットランド女王メアリー1世として王位を継承します。

子女

ジェームズ5世の結婚生活からは、メアリ・オブ・ギーズとの間に1女2男が生まれました。また、低い身分の女性マーガレット・アースキンとの間に庶子ジェームズ・ステュアートをもうけています。彼の子供たちの多くは短命であったものの、女王メアリー1世は特に歴史に名を残す存在となりました。

参考文献

• - 森護 『スコットランド王室史話』 大修館書店、1988年
• - ナイジェル・トランター 『スコットランド物語』 大修館書店、1997年
• - Alison Weir, Britain's Royal Families, Vintage, 2008

ジェームズ5世は、その短い生涯の中でスコットランド王国の歴史に深い痕跡を残し、彼の影響は後の時代にわたって重要視されています。

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