ジパング (漫画)

ジパング

『ジパング』は、かわぐちかいじによる日本の漫画作品で、『モーニング』(講談社)にて2000年から2009年まで連載されました。太平洋戦争を舞台に、現代のイージス艦がタイムスリップするという斬新な設定と、歴史への介入をテーマにした壮大なストーリーが特徴です。単行本は全43巻、文庫版も全22巻で刊行されており、2009年5月時点で累計発行部数は1500万部を記録しています。2002年には第26回講談社漫画賞一般部門を受賞し、2004年にはTBS系列でテレビアニメが放送されました。

あらすじ

西暦200X年6月、海上自衛隊のイージス艦「みらい」は、日米新ガイドラインに基づく海外派遣のためエクアドルへ向かう途中、ミッドウェー沖で嵐に遭遇し、落雷を受けます。その後、僚艦の喪失、通信途絶、降雪といった異常事態が発生。さらに、戦艦大和率いる大日本帝国海軍連合艦隊と遭遇し、ミッドウェー海戦直前の1942年6月4日にタイムスリップしたことが判明します。

「みらい」副長の角松洋介は、撃墜された零式水上観測機から救助した帝国海軍の草加拓海少佐に未来世界の情報を開示。これにより、「みらい」は歴史の流れに巻き込まれていきます。

主な登場人物

角松洋介: イージス艦「みらい」の副長。
草加拓海: 帝国海軍の通信参謀。未来の情報に触れ、歴史改変を試みます。

主な用語

オペレーション「サジタリウス」: イージス艦「みらい」が最初に行った歴史介入作戦。ガダルカナル島に上陸した米海兵隊に対し、ハープーンミサイルによる威嚇攻撃を行い、戦闘回避を試みます。
ジパング: 草加が歴史改変によって創立しようとする「大日本帝国でも戦後日本でもない新しい日本」。
原爆: 草加が秘密裏に入手した濃縮ウランを用いて製造した日本の原爆。戦局を大きく左右する力となります。
長安丸: 民間輸送船。連合艦隊のトラック諸島からパラオ及びマリアナへの移動に伴い、米潜水艦の攻撃を受けます。
セクションS: 米軍の対「みらい」特務機関。「みらい」に関する情報収集と対策立案を目的とします。
YZ作戦: 日本海軍によるインド洋侵攻作戦。セイロン島イギリス軍基地の壊滅などを目指しますが、結果的にアメリカの参戦を促すことになります。
ルイス・フロイス号: ポルトガル工船。原爆製造の工場として利用されます。
国防軍: 旧帝国陸軍と海軍が連合国との講和後、近代化と縮小し改編されたもの。
MV/SA-32J「海鳥」: 「みらい」に搭載されている架空の艦載機。ティルトローター方式の垂直離着陸機で、対潜哨戒、対艦、対空、対地戦闘に対応します。
環太平洋条約機構: 日本と連合国との講和後に成立した集団安全保障機構。
キューザック: オカルト雑誌に紹介された都市伝説に登場する宇宙人。
DDH-182 みらい: 本作品に登場する架空のイージス艦。外観は現実のあたご型護衛艦を参考にしていますが、排水量や装備は異なります。

急速な作品終了

作者は当初、戦中編と戦後編の二部構成を予定していましたが、実際には戦後編は駆け足で描かれました。「みらい」も撃沈され、「未来の日本が保有する最初の軍艦」にはなれませんでした。

アニメ

2004年にTBS系列でテレビアニメが放送されました。監督は古橋一浩、アニメーション制作はスタジオディーンが担当しました。

関連商品

解説本、ゲーム、模型など、様々な関連商品が発売されています。

関連項目

TBS系アニメ
深夜アニメ一覧
海上自衛隊
大日本帝国海軍
護衛艦
イージス艦
太平洋戦争
タイムスリップ

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