ジブチ保障基地

中国人民解放軍ジブチ保障基地

中国人民解放軍駐ジブチ保障基地は、アフリカの角に位置するジブチにある中国人民解放軍海軍の基地です。この基地は中国初の海外基地であり、その建設には巨額の費用が投じられました。この基地の完成は、アフリカの角とインド洋における中国の影響力を大幅に増大させると予想されています。

概要

この基地は、ジブチ市の西、ドラレ港に位置しています。ジブチはスエズ運河への入り口にあたり、紅海とアデン湾を隔てるバブ・エル・マンデブ海峡に面した戦略的な要衝です。中国人民解放軍海軍は、この基地を拠点としてソマリア沖での海賊対策任務を行っており、中国が提唱する「真珠の首飾り戦略」の重要な構成要素と見られています。また、ジブチ市内には、アメリカ軍のキャンプ・レモニエやフランス空軍のジブチ第188空軍基地があり、日本も自衛隊の拠点を置いています。

歴史

中国がジブチで戦略的拠点の構築を始めたのは、2015年頃とされています。ジブチ政府との交渉を経て、2016年1月に海軍施設の建設が合意されました。2017年7月11日には、中国の湛江港で新基地開設記念式典が行われ、同年8月1日に正式に基地が開設されました。最初の実弾演習は同年9月22日に実施されました。さらに、2018年5月頃には、基地に長さ330メートル以上の大型桟橋の建設が開始されました。

任務

中国は、この基地を主にアデン湾での中国軍の後方支援、アフリカでの平和維持活動、および人道支援活動のために使用すると主張しています。また、公海での海賊行為を防止する中国海軍の活動を強化するためのものとも説明しています。基地の面積は約0.5平方キロメートルで、約400人の人員が配置されています。基地には、管制塔を備えた400メートルの滑走路と人民解放軍ジブチ病院があります。

他のジブチ駐留外国軍との軋轢

アメリカ軍基地に近接した中国軍基地の存在は、両国間に政治的な緊張を生み出しています。アメリカは2014年からキャンプ・レモニエの拡張工事を進めていましたが、ジブチがその2年後に中国の基地を承認したことで、アメリカ政府は「神経質」になったと伝えられています。ジブチの大統領は、アメリカが中国の基地に過度に「固執」していると主張し、アメリカが中国の作戦を妨害していると不満を述べています。また、日本はアメリカ以上に中国を警戒しているとも述べています。

中国軍は、海上自衛隊が中国海軍の艦艇が停泊中にダイバーを派遣し、中国側に発見され追い払われたと主張しています。一方、アメリカ国防総省は、中国軍基地上空を飛行中のパイロットに対するレーザー攻撃の事例を報告する航空情報を発表しましたが、中国国防部はこれを否定し、アメリカ側に「勝手な憶測を発表しないように」求めました。

関連項目

真珠の首飾り戦略
一帯一路
ジブチ駐留アメリカ軍基地および自衛隊拠点
ジブチ国防軍

中国のジブチ基地は、地政学的に重要な場所に位置し、中国の軍事戦略と地域での影響力拡大の象徴となっています。この基地を巡っては、アメリカや日本などの周辺国との間で緊張が生じており、今後の動向が注目されています。

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