ジホモ-γ-リノレン酸

ジホモ-γ-リノレン酸（DGLA）

ジホモ-γ-リノレン酸（DGLA）は、20個の炭素原子を持つω-6脂肪酸であり、20:3 (n−6)と表記されることもあります。これは、20個の炭素原子と3つのシス型の二重結合を持つカルボン酸であり、最初の二重結合がω末端から6番目の炭素原子に位置していることを意味します。DGLAは、γ-リノレン酸（GLA）が体内で伸長されることによって生成されます。

生理活性

DGLAは、体内で様々な生理活性を持つエイコサノイドの前駆体となります。DGLAから生成されるエイコサノイドには、以下のものがあります。

トロンボキサン：シクロオキシゲナーゼ（COX）-1およびCOX-2経路を介して生成されます。
プロスタノイド：シクロオキシゲナーゼ（COX）-1およびCOX-2経路を介して生成されます。
* 15-ヒドロキシ誘導体：アラキドン酸からのロイコトリエン生成を阻害します。

これらのDGLA由来のエイコサノイドは、一般的に抗炎症作用を持つことが知られています。これは、アラキドン酸から生成されるエイコサノイドとは対照的な効果です。DGLAは、抗炎症性エイコサノイドを生成するだけでなく、シクロオキシゲナーゼやリポキシゲナーゼに対してアラキドン酸と競合し、アラキドン酸由来のエイコサノイドの生成を抑制する働きもあります。

DGLAを経口摂取すると、少量でも抗血栓症効果が期待できるとされています。また、γ-リノレン酸（GLA）を日常的に摂取することで、血清中のアラキドン酸濃度を上昇させることなく、DGLAの濃度を増加させることができるという主張もあります。しかし、現代の食生活では、リノール酸からγ-リノレン酸、ジホモ-γ-リノレン酸を経て、炎症性物質の原料となるアラキドン酸へと変換されるω-6脂肪酸の過剰摂取が問題視されています。

健康への影響

DGLAは、体内で抗炎症作用を持つエイコサノイドの生成を促進するため、炎症性疾患の予防や症状緩和に役立つ可能性が示唆されています。しかし、ω-6脂肪酸の摂取バランスが崩れると、アラキドン酸からの炎症性エイコサノイドの生成が優位になり、かえって炎症を悪化させる恐れもあります。したがって、DGLAを摂取する際には、ω-3脂肪酸とのバランスを考慮することが重要です。

注意点

DGLAは、特定の健康状態にある人や、特定の薬を服用している人には適さない場合があります。DGLAの摂取を検討する際には、医師や栄養士に相談することをお勧めします。

まとめ

DGLAは、ω-6脂肪酸の一種であり、体内で抗炎症作用を持つエイコサノイドの生成を促進します。しかし、ω-6脂肪酸の摂取バランスに注意し、適切な摂取量を守ることが重要です。

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