ジミー・キー

ジェームズ・エドワード・"ジミー"・キーは、1961年4月22日生まれのアメリカ合衆国アラバマ州ハンツビル出身の元プロ野球選手です。左投右打の投手として、メジャーリーグで長年にわたり活躍しました。

アマチュア時代

キーは、バトラー高校時代には10勝0敗、防御率0.30という驚異的な成績を残し、打者としても打率.410、11本塁打、35打点という優れた成績を記録しました。クレムゾン大学に進学後も、投手として9勝3敗、防御率2.79という安定した成績を残し、登板しない際には指名打者として打率.300をマークしました。1980年にはカレッジ・ワールドシリーズの開幕戦に先発投手として出場しました。

トロント・ブルージェイズ時代

1982年6月のドラフト会議で、トロント・ブルージェイズから3巡目で指名され、プロ入りを果たしました。1シーズン半のマイナーリーグでの経験を経て、1984年4月6日にリリーフとしてメジャーデビューを果たしました。この年は63試合にリリーフとして登板し、4勝5敗10セーブ、防御率4.65を記録しました。翌1985年からは先発に転向し、背番号も「27」から「22」に変更しました。1985年には14勝6敗、防御率3.00という好成績を収め、デーブ・スティーブ、ドイル・アレクサンダーらと共に先発ローテーションの一角を担い、チーム初の地区優勝に貢献しました。カンザスシティ・ロイヤルズとのア・リーグチャンピオンシップシリーズでは、第2戦に先発し勝敗はつかなかったものの、チームは延長10回に逆転サヨナラ勝ちしました。3勝1敗とリードし、あと1勝で初のカナダでのワールドシリーズ開催となる第5戦に先発しましたが、2失点に抑えるも、チームは敗れ、リーグ優勝を逃しました。その後も、1997年までの間、故障で1勝に終わった1995年を除き、毎年12勝以上をあげる安定した活躍を見せました。1987年には最優秀防御率のタイトルを獲得しました。1988年には日米野球でメジャーリーグオールスターの一員として来日しました。1989年にもチームは地区優勝しましたが、リーグチャンピオンシップシリーズでオークランド・アスレチックスに敗れました。

1992年、念願のワールドシリーズに進出し、アトランタ・ブレーブスとの対戦で、第4戦に先発して勝利投手となり、さらに第6戦にリリーフで勝利を挙げ、チームのワールドチャンピオンに大きく貢献しました。しかし、この登板を最後にフリーエージェント(FA)でニューヨーク・ヤンキースへ移籍しました。

ニューヨーク・ヤンキース時代

ヤンキースでも背番号22をつけ、移籍初年度の1993年には自己最多の18勝をあげました。1994年のMLBストライキでシーズンが短縮された際にはリーグ最多の17勝を記録しました。1995年は故障で1勝に終わるものの、1996年には12勝をあげ、チームの15年ぶりのリーグ優勝、18年ぶりのワールドシリーズ制覇に貢献しました。ブレーブスとのシリーズでは、第2戦に先発し敗戦投手となりましたが、チームはその後3連勝し、ホームに戻った第6戦に再び先発すると、勝利投手となり、自身2度目のワールドチャンピオンとなりました。しかし、この時もこの登板を最後にFAで移籍することとなりました。

ボルチモア・オリオールズ時代

ヤンキース移籍を決めてからちょうど4年後の1996年12月10日に、ボルチモア・オリオールズと2年契約を締結しました。背番号は今まで着けていた「22」がオリオールズの永久欠番であったため、「21」となりました。移籍初年度の1997年には16勝をあげ、チームのプレーオフ進出に貢献しましたが、1998年には6勝に終わり、この年限りで現役を引退しました。

選手としての特徴

キーは、球速こそ突出していませんでしたが、抜群の制球力を誇り、9イニングあたりの与四球はリーグ最少を2回記録しました。スライダーの切れ味も良く、右打者に対しても有効でした。通算勝率は.614で、これはメジャー歴代79位に相当します。引退後は、ニューヨーク州のノースセーラムに在住しています。

受賞歴・記録

最多勝利1回（1994年）
最優秀防御率1回（1987年）
* オールスター出場4回（1985年、1991年、1993年、1994年）

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