ジミ婚

ジミ婚（地味婚）とは

ジミ婚とは、従来の結婚式や披露宴といった形式的な儀式を簡略化、または省略した結婚のスタイルのことを指します。「地味な結婚」の略称として使われています。

ジミ婚の概要

従来の結婚では、両家顔合わせ、結納、婚姻届の提出、結婚式、挙式、披露宴、二次会、新婚旅行など、多くの儀式やイベントを行うのが一般的でした。しかし、ジミ婚では、これらのステップを省いたり、大幅に簡略化したりします。特に、披露宴や新婚旅行を省略するケースが多く見られます。婚姻届の提出のみで、他のイベントを一切行わない場合は「ナシ婚」と呼ばれることもあります。

対照的に、多くの予算をかけてすべてのイベントを盛大に行う結婚は「ハデ婚」と呼ばれます。愛知県名古屋市周辺では、地域的な特性から「ハデ婚」が昔から盛んに行われており、それをテーマにしたテレビドラマも制作されています。

結婚は人生における大きなイベントの一つですが、バブル崩壊後、結婚に対する考え方も変化し、合理的に、費用を抑える傾向が強まりました。また、伝統的なしきたりにとらわれず、自分たちらしい結婚をしたいというニーズも高まっています。

しかし、ジミ婚には反対意見もあります。「親や周囲への礼儀を欠く」「結婚に対する計画性がなくなる」「心の区切りがつきにくい」といった点が懸念され、ジミ婚を望むカップルと親や祖父母との間で意見の相違が生じることもあります。

ジミ婚の発祥

ジミ婚という言葉が広まったきっかけは、1995年に永瀬正敏・小泉今日子夫妻が結婚式を行わなかったことが大きく報道されたことでした。高所得で多くの知人がいる芸能人や有名人の結婚式は派手なものが多い中で、このケースは非常に注目を集めました。

「ジミ婚」という言葉は1996年の流行語となり、雑誌『BART』ではジミ婚を行った芸能人の特集が組まれるなど、社会現象となりました。

ジミ婚の例

ジミ婚には様々な形態があります。

婚姻届の提出のみ: 結婚の手続きとして、婚姻届を提出するだけで、結婚式や披露宴などのイベントは一切行いません。近年では、この形態を「ナシ婚」と呼ぶ傾向があります。
結婚指輪のみ: 結婚の記念として、結婚指輪のみを用意します。女性の指輪だけを用意するケースもあります。
写真撮影のみ: 結婚の記念写真を撮影するだけにします。
披露宴を行わない: 結婚式は行うものの、披露宴は行いません。
披露宴を小規模にする: 披露宴を行う場合でも、参加人数を絞り、小規模なものにします。ごく親しい友人や家族のみを招待します。
レストランウェディング: 結婚式場ではなく、レストランなどで結婚式を行います。カジュアルな雰囲気で、費用を抑えることができます。
ウェディングドレスを着ない: ウェディングドレスなどの特別な衣装を用意せず、普段着に近いワンピースなどを着用します。
挙式を行わない: 結婚式自体を行わない、または、形式的な挙式は行わず、披露宴の中で人前式を行うといった方法があります。
結納をしない: 結納の儀式を省略します。

ジミ婚を選択する理由

ジミ婚が選ばれる背景には、様々な理由があります。

予算がない: 結婚式や披露宴には多額の費用がかかるため、経済的な理由からジミ婚を選択するカップルがいます。
時間がない: 仕事が多忙なため、結婚式の準備に時間を割けない場合があります。また、できちゃった結婚の場合、出産前に式を済ませたいという理由もあります。
結婚を公にしたくない: 何らかの理由で、結婚を大々的に公表したくない場合があります。
再婚である: 夫妻のいずれか、または両方が再婚である場合、以前のような派手な式を避けたいと考えることがあります。
実家からの反対: 夫妻のいずれか、または両方の実家から結婚を反対されている場合、駆け落ち同然で結婚することがあります。
他人との関わりが面倒: 仲人を立てたり、多くの人を招待したりといった他人との関わりを避けたいと考えることがあります。
儀式の意味を感じない: 結婚式などの儀式に意味を見出せないと考えることがあります。
準備が煩わしい: 結婚式の準備は非常に煩雑で、時間と労力がかかります。それを避けたいと考えることがあります。
遠距離恋愛: 遠距離恋愛の場合、両家が遠方に住んでいるため、結婚式の準備や開催が困難な場合があります。

関連項目

結婚式
結婚披露宴
* 晩婚化

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