ジム・ブリーチ

ジェームス・トーマス・ブリーチは、1956年生まれ、カリフォルニア州サクラメント出身のアメリカンフットボール選手でした。彼は主にNFLのシンシナティ・ベンガルズでプレースキッカーとして活躍し、1979年から1992年までの14シーズンを過ごしました。

カレッジではカリフォルニア大学でプレーし、1978年のNFLドラフトでデトロイト・ライオンズから8巡目で指名を受けましたが、開幕前にカットされました。翌1979年にオークランド・レイダースにフリーエージェントとして入団し、16試合すべてに出場。しかし、1980年のプレシーズン中にレイダースがクリス・バーと契約したため、再びカットされることになりました。

ブリーチは諦めずに、クリーブランド・ブラウンズのフロント入りしていたポール・ウォーフィールドに電話をかけ、負傷したキッカーのドン・コックロフトの代わりに自分を契約してくれるよう訴えました。クリーブランドへ向かう前に、シンシナティ・ベンガルズから連絡があり、最終的にベンガルズに入団することを決意。それから引退するまで、彼はベンガルズ一筋でプレーしました。

現役通算14シーズンで、彼はフィールドゴールを340回中243回成功（成功率71.4%）、エクストラポイントを539回中517回成功（成功率95.9%）させ、合計1,246得点を記録しました。そのうち1,152得点はベンガルズで挙げたもので、これはチーム記録となっています。また、歴代2位となる186試合連続得点を達成し、オーバータイムでのフィールドゴールは9本すべて成功させるというNFL記録も打ち立てました。

ブリーチは、第16回スーパーボウルと第23回スーパーボウルに出場し、フィールドゴールとエクストラポイントをすべて成功させました。第23回では3本のフィールドゴールを成功させ、残り3分10秒の時点で16-13とベンガルズがサンフランシスコ・フォーティナイナーズをリードしました。もしそのまま試合が終わっていれば、彼はスーパーボウル初のMVPに選ばれる可能性もありましたが、フォーティナイナーズは92ヤードのドライブを行い、残り34秒で逆転のタッチダウンを決めました。

1985年には、チーム記録となる120得点を挙げましたが、この記録は1995年にダグ・ペルフリーが121得点を挙げて更新されました。

飛距離が必要なロングフィールドゴールやキックオフは、パンターのリー・ジョンソンが担当することもありました。

ブリーチの息子であるダニエルは、アリーナフットボールのインドアフットボールリーグ、シンシナティ・マーシャルズでプレーしました。

引退後、彼はシンシナティ郊外のブルーアッシュで保険の仕事をしています。また、元ベンガルズのキッカー、ダグ・ペルフリーが始めた子供たちのためのチャリティ、「Kicks for Kids Foundation」にも参加しています。

ジェームス・トーマス・ブリーチは、シンシナティ・ベンガルズの歴史に名を刻む名キッカーとして、今も多くのファンに記憶されています。

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