ジャカルタコタ駅

ジャカルタコタ駅：歴史と現代が交差するターミナル

ジャカルタコタ駅（Stasiun Jakarta Kota）は、インドネシアの首都ジャカルタの旧市街コタ地区に位置する、KRLコミューターラインの主要な駅です。かつてはバタヴィア南駅と呼ばれ、オランダ植民地時代からジャカルタの鉄道輸送を支えてきました。

概要

この駅は、ジャカルタ都市圏の近郊路線網であるコミューターラインの最も重要なターミナルであり、多くの通勤客で賑わっています。特に朝夕のラッシュ時には非常に混雑します。

コミューターラインは、以下の路線が乗り入れています。

ボゴール線
タンジュンプリオク線

かつては、長距離列車のターミナルとしても機能していましたが、1990年代後半から徐々にその役割は他の駅に移管されました。現在では、主にコミューターラインの拠点として利用されています。

歴史

ジャカルタコタ駅の歴史は、1887年にオランダ領東インド時代のバタヴィア東鉄道のターミナル駅として建設されたことに始まります。当時は「バタヴィア南」と呼ばれていました。

長年にわたり、バタヴィア（ジャカルタ）とジャワ島内各地を結ぶ長距離列車が発着していましたが、1990年代後半以降、発着する列車は徐々に削減されました。エグゼクティブクラスの列車はガンビル駅、ビジネスクラスやエコノミークラスの列車はパサール・スネン駅へとターミナル機能が移行しました。

2015年6月までは、西ジャワ州方面へのエコノミー列車やバンドン方面への一部の優等列車が発着していましたが、2017年2月にはチカンペックおよびプルワカルタへの普通列車もタンジュンプリオク駅発着に変更され、長距離列車のターミナルとしての機能はほぼなくなりました。ただし、レバランなどの多客期には臨時列車が発着することがあります。

また、ガンビル駅発着の一般列車の一部は、当駅まで回送され、構内の留置線で清掃や整備が行われます。

将来的には、ジャカルタ都市高速鉄道（MRT）南北線の延伸も計画されており、さらなる発展が期待されています。

駅構造

現在の駅舎は、1926年に建て替えられたもので、オランダ人建築家Frans Johan Louwrens Ghijselsによって設計されました。西洋風と現地風が融合したデザインが特徴です。1929年10月8日には、オランダ領東インド総督A.C.D. de Graeff臨席のもと、完成式典が行われました。

駅は頭端式ホーム6面12線を有しています。

駅周辺

駅周辺には、以下のような観光スポットや施設があります。

マンディリ銀行
インドネシア銀行博物館
ジャカルタ歴史博物館
ファタヒラ広場
ワヤン博物館
絵画・陶磁器博物館
アセムカ卸売センター
クルクト川
22ジャカルタ中学校

これらの施設は、駅からのアクセスも良く、ジャカルタ観光の拠点としても利用されています。

隣の駅

KRLコミューターライン

ボゴール線：ジャカルタコタ駅 - ジャヤカルタ駅
* タンジュンプリオク線：ジャカルタコタ駅 - カンプンバンダン駅

まとめ

ジャカルタコタ駅は、歴史的な建造物と現代的な鉄道網が融合した、ジャカルタの重要な交通拠点です。コミューターラインの利用客にとっては毎日利用する駅であり、観光客にとっては歴史的な建築と周辺の観光スポットが魅力的な場所です。今後のMRT延伸計画も含め、さらなる発展が期待されます。

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