ジャクソン・ランディ・ローズ

ジャクソン・ランディ・ローズ：伝説のギタリストと共に生まれた革新的なギター

ジャクソン・ランディ・ローズは、ジャクソン・ギターズが1981年から製造しているエレクトリック・ギターです。その名の通り、オジー・オズボーンなどで活躍した伝説のギタリスト、ランディ・ローズのために製作されました。彼の頭文字をとってRRと略されることもあります。ジャクソン・ギターズのホームページでは、正式名称はローズ(Rhoads)と表記されています。日本では、ランディVやRRVと呼ばれることもあります。

起源：The Concorde

その起源は、シャーベル・ギターのグローヴァー・ジャクソン、ティム・ウィルソン、マイク・シャノンによって製作された最初のプロトタイプ「The Concorde」に遡ります。白地に黒のピンストライプが施された非対称のフライングVで、ネックとボディにはメイプル、フィンガーボードにはエボニーが用いられ、ミディアム・フレット、ストラトキャスター・スタイルのトレモロユニット、セイモア・ダンカンのピックアップが搭載されていました。このプロトタイプは、シャーベル社で製作されたもののうち、「ジャクソン」のブランド名を冠する最初のギターとなりました。

当初、「The Original SIN」と呼ばれる予定でしたが、ランディ・ローズは、その白く洗練された形状から、超音速輸送機コンコルドに見立てて「Concorde (コンコード)」と名付けました。

プロトタイプ2号機：より攻撃的なデザインへ

ランディ・ローズは、最初のプロトタイプが元々のフライングVから十分に差別化されていないと感じ、次のプロトタイプでデザインを大幅に変更しました。彼のデザイン案は、ギターの「角」をサメのヒレ(シャークフィン)のように、より鋭角にすることでした。

2番目のプロトタイプは、この改訂されたデザインが採用され、黒いボディに金色のピックガード、固定式テールピースが搭載されました。また、グローバーのロッキング・チューナーとセイモア・ダンカンのピックアップ (TB-4 bridge及びSH-2 neck)が搭載されました。

更なるプロトタイプ：完成を見ずに終わった開発

さらに2つのプロトタイプが作成され、プロトタイプの総数は4本となりました。弦裏通しモデル（後に誤ってNAMMギター・ショウで売却）、黒色のボディ、ブラス製トレモロ、リヴァース・シャークフィン・インレイを特徴とするモデルが準備されていました。

しかし、これらの2本が完成する前の1982年3月、ランディ・ローズは航空事故で急逝してしまいます。そのため、これらのギターについて彼からのフィードバックを得ることは叶いませんでした。これらのギターは、完成していればジャクソン・ギターズのブランドから一般に販売される最初のギターとなるはずでした。

ランディの死後、ランディ・ローズ・モデルは人気を博し、ジャクソン・ギターの名前を世界的に有名にする上で大きな役割を果たしました。

著名な使用者：数々の名ギタリストに愛用される

当時キッスのギタリストであったヴィニー・ヴィンセントが、キッスのアルバム『Creatures of the Night』と『Lick It Up』のツアー（1982年から1984年）で使用し、ランディ・ローズの死後初めてランディ・ローズ・モデルを使用したプロ・ギタリストとなりました。キッス離脱後、ヴィンセントはランディ・ローズのデザインにVの角を追加し、2組で都合4つの角が影のように折り重なるデザインを生み出しました。ジャクソン・ギターズは1985年から1988年の間に、ヴィンセントのために少なくとも3本のランディ・ローズ・モデルを基にしたギターを提供し、また、約25本がカスタムオーダーされ一般に販売されました。このデザインは、後にカーヴィン、アイバニーズ、ワッシュバーンにコピーされました。

2001年には、チルドレン・オブ・ボドムとシナジーのギタリスト、アレキシ・ライホとローペ・ラトヴァラが、彼ら自身のカスタム・ランディー・ローズ・モデルを所有していました。これらは、アルダーのボディにスルーネック、24フレットでエボニーのフィンガーボード、白いボディ、金色のハードウェアが搭載されていました。また、電装系統にはJE-1000 preampとthe Jackson J-50BC pickupの組み合わせが搭載されていました。このモデルは、『Jackson Randy Rhoads L/L』 (L/LはLatvala/Laihoの意味)と呼ばれていました。ただし、両者のモデルは全く同じではなく、アレキシ・ライホは黒、白/黄のべベル、金色のハードウェアのモデルを使用しており、ローペ・ラトヴァラは反転クロスインレイが施された黒いランディ・ローズ・モデルを使用していました。これらのモデルは、彼らの所属していたバンドのビデオで確認することができます。ジャクソンは、24フレット・ランディ・ローズ・モデルの黄色いべベルが施された黒いボディのモデルを限定で販売しましたが、短期間ですぐに完売しました。

外部リンク

* Jackson Guitars Official Website（英語）

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