ジャズ・コンポーザーズ・オーケストラ

ジャズ・コンポーザーズ・オーケストラ：革新的なアヴァンギャルド・ジャズの探求

ジャズ・コンポーザーズ・オーケストラ（Jazz Composer's Orchestra）は、1965年にカーラ・ブレイとマイケル・マントラーによって設立された、アメリカを拠点とするジャズ・グループです。オーケストラ編成でアヴァンギャルド・ジャズを演奏するという、当時としては非常に革新的な試みを行いました。

ジャズ・コンポーザーズ・ギルドからの誕生

その起源は、ビル・ディクソンが1964年にニューヨークで開催した一連のコンサート「ジャズの十月革命」に遡ります。このイベントから生まれたジャズ・コンポーザーズ・ギルドが、オーケストラの母体となりました。ブレイとマントラーが結成したビッグバンドは、当初「ジャズ・コンポーザーズ・ギルド・オーケストラ」として知られ、1965年4月には最初のレコーディングを行っています。ギルドの活動終了後、彼らは「ジャズ・コンポーザーズ・オーケストラ」として活動を継続しました。

1966年には、非営利団体であるJazz Composers Orchestra Association Inc.（JCOA）が設立され、オーケストラの活動を支援しました。

音楽性と主要アルバム

オーケストラの最初のリリースは、1965年のアルバム『コミュニケーション』でした。1968年には、2枚組の大作アルバム『ジャズ・コンポーザーズ・オーケストラ』を発表し、セシル・テイラー、ドン・チェリー、ラズウェル・ラッド、ファラオ・サンダース、ラリー・コリエル、ガトー・バルビエリといった、当時を代表する個性的なソリストたちが参加し、話題を呼びました。

JCOAレコードと活動の終焉

JCOAレコードは、オーケストラとそのメンバーによるリリースを目的として設立されました。ラズウェル・ラッド、クリフォード・ソーントン、ドン・チェリー、リロイ・ジェンキンス、グレイシャン・モンカー3世など、気鋭の作曲家への委嘱作品も制作しています。グループは1975年に活動を停止しましたが、その活動は音楽シーンに大きな影響を与えました。

New Music Distribution Service（NMDS）の設立

オーケストラの活動を通じて、レコードの流通会社であるNew Music Distribution Service（NMDS）が設立されたことも、特筆すべき点です。これは、インディペンデントな音楽の普及に大きく貢献しました。

ディスコグラフィー

『コミュニケーション』 - Communication (1965年)
『ジャズ・コンポーザーズ・オーケストラ』 - The Jazz Composer's Orchestra (1968年)
『エスカレーター・オーヴァー・ザ・ヒル』 - Escalator over the Hill (1971年) ※カーラ・ブレイ & ポール・ヘインズ
『相対性組曲』 - Relativity Suite (1973年) ※ドン・チェリー プロデュース
『ニューマチック・スイング・バンド』 - Numatik Swing Band (1973年) ※ラズウェル・ラッド プロデュース
『ハーレムの園』 - The Gardens of Harlem (1975年) ※クリフォード・ソーントン プロデュース
『熱禱』 - Echoes of Prayer (1975年) ※グレイシャン・モンカー3世 プロデュース
『フォ・プレイヤーズ・オンリー』 - For Players Only (1975年) ※リロイ・ジェンキンス プロデュース

外部リンク

Recordings at www.jazzdiscography.com
Interview with Carla Bley at NewMusicBox
The Jazz Composer's Orchestra Information Page
ジャズ・コンポーザーズ・オーケストラ - Discogs（英語）

ジャズ・コンポーザーズ・オーケストラは、その短い活動期間にもかかわらず、アヴァンギャルド・ジャズの可能性を大きく広げ、後続の世代に多大な影響を与えました。彼らの音楽は、今もなお、多くの音楽ファンを魅了し続けています。

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